一昨日、1歳児クラスから水痘発生!との報告を受けました。




え?1歳児クラスと言えば今の時期はみんな2歳。

水痘の予防接種も2回済んでいるはずなのに…驚き

と思っていたら1歳児クラスのお子さんの弟(0歳児)でした。それなら仕方ない。




クラスの予防接種歴一覧表も確認しましたが、全員2回接種を終えていましたにっこり

2回接種を終えていれば、重症化はほぼ100%抑えられ、発症自体も94%抑えられるとされています。




2014年に定期接種化されて以降は、水痘の発症患者数は8割減となりましたが、そもそも水痘は麻疹や結核と同様、空気感染なので感染力は極めて強いです!

空気感染と接触感染を通して、どんどん拡大していきます驚きガーン




2014年の夏頃に、当時の2歳児クラスでひとりが水痘を発症した後、あっという間に広がりました。

2歳児クラスは定員20名なのですが、1人目発症から感染者は増える一方…

最終的には計16名が感染し、4名しか登園しておらず、保育室がガラガラだったことを覚えています驚き




水痘では全身の皮膚に多数の水疱がみられるため、診断は容易です。

成人では、発疹が出現する1~2日前から前駆症状(発熱と全身倦怠感)がみられますが、この時期で水痘と診断することは困難です💦

一方、小児では前駆症状がなく、いきなり発疹がみられることが殆どです驚き




水疱は段階的に変化します。

最初は皮膚が赤くなります。その後、少し盛り上がり、水疱となります。水疱には痒みを伴うことが多く、体幹でもっとも多くみられます。そして、最終的には痂疲化します。

実際には、これらが混在した状況になります。

発疹がみられるのは皮膚だけではありません。鼻咽頭、気道、膣などの粘膜にも出現することがあります。









小児の水痘は一般的に軽症ですが、成人では重症になり、合併症(肺炎や脳炎、心筋炎、敗血症など)の頻度も高いので注意が必要です。




特に、免疫不全者、妊婦、水痘免疫のない母親から生まれた未熟児、妊娠28週未満に出産した未熟児および1,000g以下の新生児では重症となったり(播種性血管内凝固症候群、多臓器不全など)、合併症を併発する可能性が高くなります驚きあせる




水痘ワクチンを接種したことがない人が水痘患者に濃厚接触してしまった場合、3日以内に接種すれば、水痘の発症予防に90%以上有効です。

曝露5日以内に接種しても約70%の有効率であり、重症水痘を軽減するのには100%有効です




また、水痘への罹患の有無に関わらず、抗体を獲得しても20年程度で低下するとされています。

水痘罹患、あるいはワクチン接種から20年以上経過している時は、抗体価を確認して必要であれば接種することをオススメしますニコニコ

今回、発症したお子さんのご家族にも情報提供したので、接種してくれると良いなと思っています。

が、最終的にはご家族判断なのでこちらはそれ以上は言えません(・・;)




妊婦の方、そしてそのご家族の方には風疹などと同様に水痘にも注意していただければと思います。妊娠20週までに妊婦が水ぼうそうにかかると生まれてくる赤ちゃんの約2%が先天性水痘症候群となり、四肢低形成(手足の形成が不良)、脈絡網膜炎(目の膜の炎症)、小頭症発達障害などの症状をきたします。 

また、妊娠中は重症化しやすく、出産5日前から出産後2日までに妊婦が感染すると赤ちゃんも重症な水痘を発症しやすくなります。




妊娠するとワクチン接種ができなくなるため、あらかじめ接種しておくと良いですねにっこり

この時は、ご家族の方も一緒に接種しておくことがポイントです✨




あとは、川崎病のお子さんも水痘には要注意です⚠️

川崎病の急性期を過ぎると、冠動脈瘤の形成などを防ぐためにアスピリンを一定期間内服します。

このアスピリン内服中に、水痘やインフルエンザに罹患すると脳症の発症リスクが高くなるので、主治医に相談して内服を止める必要があります。




保育園等では、水痘やインフルエンザの発症があった場合、アスピリン内服中のお子さんの保護者には必ず伝えるようにしましょうにっこり