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やっと体調が回復してきました。
最後は咳がつらかったのですが、それもようやく鎮まりつつあります。長かった。
咳自体は生体防御反応のひとつなので、無理に止める必要はありません。
痰を伴う症状の初期は、むやみに止めることより、気管支を拡張して咳をしやすくすることで気管支内の異物を痰として体外へ排出することが大切です。
ただ、長引くと身体への負担も大きい(咳を10回すると、それは徒歩10分で消費するエネルギー量と同じです)ですし、仕事や生活に支障を来すとなれば話は変わってきますよね。
通勤電車内で咳き込もうものなら、周りからの冷たい視線も感じます…
そこで、使われるのが咳止め薬。
咳止めには大きく分けて中枢性鎮咳薬と末梢性鎮咳薬の2種類あります。
中枢性というのは、脳の咳中枢をブロックしてしまう薬のことで、末梢性というのは咳中枢ではなく、気管や気管支を拡張させて空気の通りを良くすることで咳を止める薬のこと。
そして、効果の高い中枢性鎮咳薬には、麻薬性と非麻薬性のものがあります。
当然ながら、前者の方が効果が高いとされています。(中枢性麻薬性鎮咳薬>中枢性非麻薬性鎮咳薬>末梢性鎮咳薬)
麻薬性のものでは、リン酸コデインが最も安価で効果的と考えられています。
麻薬ではありますが、咳止めとしてごく少量使用する分には規制から除外されているため、ドラッグストア等でも購入できます。
なお、病院で処方される咳止めで最も効果が高いとされているのは、デキストロメトルファン(メジコン®)とリン酸コデイン(リンコデ)です。
というか、これら以外の咳止め薬の効果が弱すぎるとも言えますね。
実は、麻薬として良く知られているモルヒネも咳に効果があることが知られており、リンコデでいまいち効果が出ない場合には、少量のモルヒネが処方されることがあります。
モルヒネといえばがん性疼痛を緩和する薬というイメージがあると思いますが、実は少量であれば「激しい咳」に対しても保険適用となります。
そして、皆さんが心配されるような依存性もありません。
さらに、意外と効果が高いとされているのが、シロップやハチミツです。
詳しいことは分かっていませんが、どうやら甘みを感じる神経は、咳を抑えるはたらきとも関連しているようです。
子どもの頃、母が言っていたことは、あながち間違っていなかったんだなと看護師になってから知りました笑
特に子どもの咳に対して、就寝前のスプーン1杯のハチミツが非常に有効だと報告されています。大人の場合、コーヒーにハチミツを入れると咳止めとして有効という論文も!
コーヒーにも気管支拡張作用があるため、ハチミツと組み合わせれば効果的とのこと。
どうしても咳が止まらないという人には、就寝前にスプーン1杯程度のハチミツを試してみても良いかもしれませんね
しかし、最も大事なのは咳の原因を特定すること‼️
喘息が原因で咳が出ていた場合、メジコン®を飲んだり、ハチミツコーヒーを飲んだりしていても治りません。吸入薬できちんと気管支を広げてあげないといつまで経っても咳は出続けます。
また、風邪をひいた後でも2~3週間くらい咳が続くことがあります(感染後咳嗽)。
しかし、それを超えて咳が続くときは、マイコプラズマ肺炎や、副鼻腔気管支症候群、咳喘息、アトピー咳嗽、胃食道逆流症など、何らかの慢性的な疾患が隠れている可能性があります。
また、咳の中には、肺がんや肺結核など、見落としてしまうと生命の危険につながる疾患もあるので、「咳があまりよくならないな」「咳止めを飲もうかな」と迷ったときは、一度内科で診てもらうようにしましょう