”ライオンのおやつ” 小川糸著 ポプラ社 筆者の作品は”食堂かたつむり”以来。 ライオンの家は瀬戸内海にあるホスピスのこと。 ガン末期になった33才の女性が主人公。 そして瀬戸内のレモン島・ライオンの家が舞台。 施設の責任者マドンナからの手紙の、 ”文字の匂い”を主人公・海野雫が吸い上げた場面が良い。 手紙の匂いでなく、文字の匂い!  物質としての手紙ではなく、それを書いたマドンナの人柄含め 全てを受け入れる瞬間のように思われた。 毎週日曜日に施設で出される「ライオンのおやつ」 毎回、悲しい旅立ちが付きまとうが、決して寂しさだけでなく、 前向きな気持ちにさせてくれる。