”初夏の色”  橋本治著  新潮社 筆者の作品は久々で、タイトルに魅かれて読んだ。 東日本大震災の後を生きる人の、 あるいはもうすぐ震災が起きるとは知らないでこの世を去った人の  それぞれの暮らしを描いてある。 「助けて」は被災地に行った夫と、自宅にいた妻との意識の乖離  なのだが、夫のやつあたりに近い。 「渦巻」は、本文中に「特徴のない女だった」と  書かれてしまう主婦・昌子が主人公。   特徴がない=人格がないという筆者の見方? 「団欒」は余韻を残していい感じ。