”途方もなく霧は流れる”  唯川恵著  新潮社 筆者の作品は久々だが、内容は良かった。 主人公・岳夫は、42歳で離婚し  50歳で大手航空会社をリストラにより早期退職。  付き合っていた同僚の女性からも手を切られ、  父親が残した軽井沢の別荘に住む。 そして今までの仕事から解放され、  生きることは何かを考えながら軽井沢に生きる。 捨て犬を拾って、育てるところの描写も良いが、  他の登場人物である小料理屋女将と娘、元夫、  知的で冷静な女性獣医、美しい人妻等も  新しい人生を切り開いて行こうとしている。 後半には予想もしない展開があるが、  全体的に清々しい人物も多く、 また、軽井沢の美しい情景の描写も良かった。