X(旧Twitter)で「秋田県沿岸部で桁違いの放射線量を観測中」という言説が拡散しましたが、誤りです。秋田県内の観測地点で放射線量に異常は見られません。

 

 

Xの「ツイッター速報」で2024年7月3日夜「秋田県沿岸部で桁違いの放射線量を観測中 通常の数万倍」という言説が拡散した。 7月4日現在480万を超える閲覧と6100のリポストがあり、「隣の国から流れて来たってこと?」「原潜が秋田の近くで壊れたとか?」などのコメントがついている。

 

日本ファクトチェックセンター(JFC)は秋田県環境管理課に取材した。秋田県では拡散した言説に関して問い合わせが電話やメールで来たことから、ウェブサイトで「放射線量に異常はない」という告知を出したと回答した。

 

 

その告知では「県内各地点において24時間体制で放射線量の数値を測定し、〔原子力規制委員会〕放射線モニタリング情報共有・公表システムに数値データを送信しています。直近1か月間のデータでは、各測定地点ともに投稿にあるような異常値は検知されておりませんので、ご安心ください」と呼びかけている。この1ヶ月間で放射線量に異常はないということだ。

 

JFCが原子力規制委員会の放射線情報モニタリング共有・公開システムで秋田県内のモニタリングポストなどで計測されている空間線量率を確認したところ、秋田県内の観測地点では、鹿角市が0.028μSv/h、高いところでは能代市の0.039μSv/hだった。

 

秋田県以外の地域を見たところ、同じ日本海側の福井県では鯖江市で0.052、越前市は0.048で、秋田県の隣岩手県の太平洋側沿岸の釜石市は0.040、久慈市は0.046だった(単位はいずれもμSv/h、2024年7月4日午後0時20分現在)。秋田県の観測地点での放射線量は他の地域に比べて大きな差はない。

 

ICRP・国際放射線防護委員会は、一般の人の被ばく線量の限度を年間1ミリSvとしている。これは1時間あたりに換算すると0.23μSv/hだ。

 

「秋田県沿岸部で桁違いの放射線量を観測中」という言説が拡散しているが、誤り。秋田県内の放射線量に異常値は見られない。

 

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。検証記事を広げるため、X、Facebook、YouTube、Instagramでのフォロー・拡散をよろしくお願いします。

 

とのことです。