ここんとこ山行きブログばっかりになってるから、今回は水族館に行った話を可愛らしく書こうと思っていたのですが、連休中に行った四国水族館(香川県・宇田津)でまさかの大行列を前にしてココロがポッキリ折れまして、うどん食べてお隣のゴールドタワーに上がって帰ってきてしまいました。
でもってこれまた四連休の間に行った手箱山・筒状山でまたもや道を見失うという大変スリリングな体験をしましたので、今回も山行きブログにお付き合いくださいませ。
手箱山・筒状山は石鎚山の近くにあります。登山口も石鎚に登ったときの立派な土小屋駐車場にありますので、クルマはそこに停めました。高知市内から約3時間。朝8時半に到着したときにはすでにほぼ満車でしたが、おそらくみんな石鎚だろうと思われます。四連休だもんなぁ。県外ナンバーも多かったです。
ヤマレコ↓
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準備して、わたしたちは筒状山登山口へ。
石鎚の、案内板たっぷりの登山口とは違い、薄暗い穴のような入り口です。だけどなんといっても百名山のお隣の山だから、それなりに整備されているでしょうと、わしわし突入。いきなり倒木に行く手を阻まれましたけれど、乗り越えたり迂回したりしながらサクッと通過。少し進んだところで岩黒山との分岐案内表示が出ましたので、筒状山方面へ。だけど筒状山の鎖場を登りにするためには先に手箱山をやっつけないといけないから、鞍部の分岐でトラバース道に入りました。
ここには標示なし。
それでも方向を確認しながら進むと、崖際に鉄製の歩道を取り付けてくれている箇所に出ました。
かなり老朽化していましたので、ゆっくり通過。腐食した鉄板に穴が開いていて、下が見えます。
それからけっこうな下りと登りを通過し、無事に手箱越に到着。
広々としていて気持ちのいい場所だったので、ここでお昼休憩にしました。だーれもいない。貸し切り。
目前には筒状山の鎖場に向かう鳥居が見えています。
けどそれは後からなので、ひとまず背後にある手箱山への取り付きへ。何度か小ピークを越えて、今度こそ山頂やろう、とクタビレ始めたころに登頂。
ここまでで予定より40分くらい押してしまってました。ここんとこ整備された綺麗な登山道ばかり歩いていたから、荒れた道にペースを崩されています。「ここロープほしいね」というような箇所もいくつかあったので、どうしても慎重に、安全第一に進むと時間かかります。
そうして一旦お昼休憩した手箱越まで戻り、鳥居をくぐって筒状山へ。
ここから鎖場があることはわかっていましたけれど、「慎重に登れば大丈夫」とのことだったので素人中高年夫婦でもイケルだろうとGo to鎖場。
おお、見上げた感じイケそう。が、しかしこの鎖場、見える範囲内だけではありませんでした。その上にさらに10メートルほどのびてた。だけど途中まで登ってしまっているので引き返すよりは登るほうが安全だろうと、ぷるぷるする腕に命を預けて再びトライ。途中、足場のない垂直岩の箇所もあったし、6キロのザックも背負ってる(日帰りなのにこの重量になってるのは水分が多いせいです。各自2.5リットルずつ持ってる)ので自信はなかったですけど、なんとか通過。
お互いに「よく登れたな」とたたえ合って先に進みます。
しっかし悪路だなぁ。百名山の隣りにこんなワイルドな山が潜んでいたとは。
標示の類いはひとつもないし、テープも少ないし、崩落箇所は多いし。時間はどんどん押してくし。
それでも無事、筒状山山頂に立つことができました。
よぉし、あとは帰るだけだ。
ここでめっちゃ安心したんですよね。道が厳しかったし鎖場も長かったしで、緊張しっぱなしだったから、もうあとはここを40分下って鞍部の分岐まで戻れば土小屋への道に合流できるって、ホッとしたんです。
甘かった。
かなりの急坂を下る道でどうしてもゆっくりしか進めず、急坂のまま笹漕ぎへ。笹はわたしの胸のあたりまでの高さで、地面はまったく見えません。おまけに木も生えてるので見通しも利きません。
それでもなんとか道らしきところを下っていくうちに、道ではなく、笹を踏み倒しながら歩いていることに気づきました。
外れてる。
慌てて最後に見たテープまで戻ります。そこで立ち止まり、じっくりと見回してみる。
どこにも道はありませんでした。
地図とコンパスとGPSを引っ張り出してその場でぐるり回りながら方向確認。
向きはあってる。けど道はない。
「けど向きは合うちゅうき、行きよったらまた道あるよね」
ということでひとまず進んでみることに。
やっぱり足元に道はなく、踏み倒しながら進んでしまいます。これはおかしい。絶対おかしい。
だけど振り返って気づいたんです。もうさっきのテープのところがどこだったのかわかんなくなってる、って。
「ヤバイ、完全に迷子や」ぽそりと漏らすわたしに、
「おい、あれ道やないかや?」と夫。
いやいやそれ違いますき。前に高峰ノ森で迷ったときにも夫の「こっちやないかや」に騙されてエライ目に遭いましたからね。もうその手には乗りません。
だけどほんまにどこにも道がない。
それでもとりあえず向きは合ってるはずなので、方向確認を繰り返しながらガシガシ進みます。
当然ながら行き詰まる。
もう時間も押しまくって、下山予定時間だった午後3時を過ぎてしまっています。
どうすることもできない。誰にも助けてもらえない。(夫の野生の勘は当てにならない)
久々に途方に暮れました。
こういうときって、闇雲にガシガシ進むと事態の悪化を招く恐れもあるから、動くこともできないんですよね。だけど動かない限り下山することはできない。
アタマの中に、最近読んだ羽根田治著ドキュメント〇〇遭難シリーズが浮かんできます。
このまま日が暮れたら、ビバークか? ツェルトなら持ってるよ。飲み物もまだあるし、携帯食くらいなら残ってる。
けど、けど、
――――帰りたいわぁ。
と、そこで、「迷ったらひとまず尾根に登り返す」というフレーズが!
ダメ元で見上げてみる。あった! たぶんあそこは尾根や!
ガシガシと笹を踏み倒しながら登ってみました。そしたら、
「あった! 道!」
〝見えた〟んです。いやっほーい!
しかしなんとも心許ないことに、気を抜くとまた見失ってしまいそうな藪の中なので、慎重に進みます。相変わらず道は悪いです。ペースを上げることはできません。
結局、鞍部分岐までコースタイムだと40分のところを倍以上の90分かけて到達しました。
ここから土小屋駐車場までまだ1時間かかります。最終的にゴールできたときには5時前になってしまってました。
ほとんど空っぽになってしまってた駐車場での一服の旨かったこと(笑)
「がんばったね」
「がんばったな」
互いにたたえ合い、しかし石鎚スカイラインのゲートは午後6時閉鎖なので急いでクルマに乗って下のゲートまで進みました。
大変だったけど、楽しかった。
懲りずに、次はどこ登ろうかって考えてます。
毎度横向きのままで申し訳ないですが、ゴールドタワー改め「ソラキン」展望台の金魚です。
確かに空金だわ。
ゴールドタワーって、もう十数年ぶりだったのですけれど、昔とは変わってしまってました。
金のトイレ見に行ったのに、なかったです。
展望所から見下ろした四国水族館。
矢印のところ、行列の一部です。炎天下で暑かったから、ココロ折れるのも早かった。
並んでたらたぶん2時間以上待たされたと思います。
近いからね。また今度、平日に休み取ってもらって行くことにしました。
夫はもうカレンダー睨みながら「いつにしようか」って楽しみにしてます(笑)
筒状山登山口。
不穏な感じ、しますよね。
おまけに土小屋駐車場付近は気温が11度しかなくて、半袖にアームカバーだけの夏装備では寒かったです。登り始めるとすぐ暑くなりましたけど。
部分的に新しくしてくれてる鉄製歩道。
ある意味、危険箇所。
子どもの頃に読んだ『三匹のヤギのがらがらどん』を思い出しました。
そうっと渡らないと、がらがらどんに見つかります。
お昼休憩した手箱越。
鳥居の向こうが筒状山。こうやって見るとスグ登れそうな山に見えます。
ひとまず手箱山制覇。
そうして筒状山の鎖場。
なんか登れそうな気にさせる、絶妙な角度。
余裕ぶっこいて途中で写真など撮ってみるバカ。(=わたし)
このときはまだ、この先に10メートルのおまけがあることに気づいてない。
なんとか筒状山山頂へ。
前途を暗示するかのように看板が倒れてしまってました。
倒しておくのは嫌なようで、立てかけてみる夫。
突き刺せそうな場所はなかったです。
で、これ以降ココロの余裕をなくし、写真は一枚も撮れていません。
だけどログを見てみるとそれほどコースを外れた様子はないんですよね。
最終、右手にコンパス、左手にGPSを持って歩いてたから、向きだけは合ってた。
(その状態で胸丈の笹を踏み歩いてたんだから、テンパってるって無敵や。けど向きは合っててもルートファイティングできるような力量はないから、やっぱり道を探すしかないですけど)
前みたいに反対方向にぐねぐね進むようなことはなかったようです。
進歩だわ。(いや、迷うなよ)
ちなみに今回の山行きでは最初から最後まで誰にも会いませんでした。
今回に限っては誰かにお会いしたかったわ。クマスズさんとかいたら、音を頼りに進めたのにねぇ。