先日、霞が関の裁判所を訪れ、法廷を巡り歩いた。一室で歯科医師法違反事件の控訴審が進行中だった。原審(地裁)で実刑判決なのでこのままでは10年間の診療停止が確定する。被告は過去に何らかの非違があり、診療停止処分を受けたのに隠れ治療を行い、ばれたので実刑を食らったのようだ。10年間のブランクがあれば、現在50歳くらいの被告は「実質廃業になる」とも申し立てている。判断のプロも悩むところで、裁判長も右陪席も厳しい口調で反省の度合いを質問している。まさに、一人の人間の後半生がジャッジされる場面だ。しかし、これは罰として公共奉仕の選択があれば簡単だろう。5年間、刑務所や拘置所で週一回の治療奉仕をすればどんなものでしょう? まさに人を活かす司法制度が何故日本にないのか?工夫が足らないのだ。