「竜馬がゆく」と「ガラパゴス化する日本」
ついに、司馬遼太郎の歴史小説「竜馬がゆく」(全8巻)を読み終えました。
ビジネス書を読むスピードは早いのですが、歴史小説は読み慣れていないためか、とても時間がかかってしまいました。
これまで恥ずかしながら、坂本龍馬については、中学の歴史の教科書で「薩長同盟」の立役者程度しか知らず、また、薩摩藩と長州藩を結びつけたことが評価される理由が全く分からず、坂本龍馬について過大評価していると思っていたほどでした。小説を読み、幕末の時代背景を知ると、薩長同盟の難しさを理解することができました。
それにしても、神戸海軍操練所や亀山社中(後の海援隊)の設立、薩長同盟や大政奉還の成立に尽力するなど、司馬遼太郎の描く竜馬の斬新な発想と実行力はすごいです。
「人は大事を成すために生きる」と思わざるを得なくなりました。
私は坂本龍馬に影響を与えた師の勝海舟もすごいと思いました。勝海舟が、当時の幕府や識者の常識に囚われずに、世界の動きをもとにして、グローバルな視点で今後、日本という国家の進むべき道を明確に説いていた点について尊敬します。
同じ頃に外資系戦略コンサルのA.T.カーニーのプリンシパルである吉川尚宏氏が書いた「ガラパゴス化する日本」を読んでいて、今の日本には勝海舟や坂本龍馬のようにグローバルな視点に立ち、物事を進めていく人物が求められると思いました。
ダーウィンが進化論を着想するきっかけとなったガラパゴス諸島では、ガラパゴス・イグアナ(下の写真)のように独自の進化を遂げた生物が生息することで知られています。日本がまさにガラパゴス諸島の生物のように独自の進化をして、グローバルでは通用しないということが危惧されています。
この本では、日本のガラパゴス化を次の3つから構成するものとしています。
① 日本製品のガラパゴス化
日本企業が作りだすモノやサービスが海外で通用しないこと
② 日本という国のガラパゴス化
日本という国が孤立し、鎖国状態になること。
③ 日本人のガラパゴス化
最近の若い人のように、外に出たがらなくておとなしい性向のこと
日本企業は、今後、日本のマーケットが減少するため、海外(特に新興国)への進出を加速させようとしています。しかし、この本を読むと、ガラパゴス化している日本の企業は、他国の企業と競争をして海外マーケットを拡大できるのかについて、とても疑問に思えてきました。
これから、日本人は、ガラパゴス化する日本でどのように生きていくか、真剣に考えていかなければいけないと思います。
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