学ぶ意味(悪を見破(みやぶ)る力)を知ってもらいたい

無知(むち)恐怖(きょうふ)(はは)」ということわざがある。知らないことが人間にとって恐怖を生み出す根本的(こんぽんてき)な原因であるということだ。基本的に人間は、知らないものからは逃ける、()けるという行動をとるものだ。それは怖いからであり、知ってしまえばそうでもないことがほとんどである。人間との(せっ)し方も同じで、表面的に怖そうな人でも、その優しい人間性を知って行くにつれて、怖さがなくなり、逆に(した)しみさえ感じる場合もある。

世の中には「知らなかった」ではすまされないことがたくさんある。例えば、携帯電話の電源がなくなりそうなので、大きなショッピングセンターのトイレにあったコンセントで充電(じゅうでん)をした。そしたら警備員につかまり、警察に通報(つうほう)され逮捕(たいほ)されてしまった。それは、電気はモノとして(あつか)われるのということが刑法の条文にあるため、窃盗(せっとう)(ざい)になるからだ。盗電(とうでん)と言われているので知っている人も多いと思うが、これくらいならいいだろうと思っても、重い(つみ)問われることが多く存在する。

知らないとバカにされる。知らないことが多い人は世の中でバカにされ、だまされて、不幸な人生を歩まなくてはならなくなってしまうのだ。フランスの有名な物語に「レ・ミゼラブル」というのがある。ファンチーヌという母が、かわいい娘コゼットをいじわるな家族にあずけて仕送りを続ける。いくら仕送りを送っても足りないと言って大金を搾り取(しぼ と)られ、挙げ句(あ く)果て(は )母は過労死(かろうし)してしまうのである。悪い人間にだまされず、(かしこ)く生きて行くためには、学ばなければいけないのだ。