再選が決まった安倍首相は8日午前、首相官邸で記者団の取材に応じ、「重要な法案が残っている。まさに公約を進めているところであり、一致結束していこうという多くの議員の考え方の結果だ」と無投票再選を歓迎した。そのうえで今後の政権運営について「結果を出し、責任を果たしていきたい」と決意を述べた

 総裁選の立候補受け付けは東京・永田町の党本部で午前8時から8時半まで行われ、野田毅選挙管理委員長が「候補者が1名なので総裁選の投票は行わず、安倍晋三君を当選者とする」と宣言した。

 これに先立ち、国会近くのホテルで開かれた首相の出陣式には党所属国会議員約280人が出席。党内の全7派閥と、谷垣禎一幹事長、石破茂地方創生担当相の両グループが首相の再選を支持する中、首相は「地方のすみずみまで景気(回復)の実感を届け、完全にデフレから脱却し、未来に向けて力強く経済を成長させていくのが私たちの使命だ」とあいさつ。「まだ道半ばだ。継続は力。みなさまの支援を力に変えて結果を出し、責任を果たしていきたい」と訴えた。

 今回の総裁選は国会会期中の告示という異例の日程になり、安倍政権が最重要法案と位置付ける安全保障関連法案の審議への影響を懸念する声が政府・与党から出ていた。首相が無投票再選されたことを受け、与党は安保関連法案を来週に参院で採決して成立させる方針だ。