安倍晋三首相は16日午後、世界遺産に登録されている真言宗の霊場、高野山(和歌山県高野町)を訪れた。弘法大師空海による開創から1200年を迎えた高野山には、海外の観光客も多く訪れており、首相は、観光振興策の一環として、外国人向けに地方でも消費税免税店を増やす方針を表明した。
観光庁によると、日本に住んでいない外国人が対象の消費税免税店は全国に約9400軒(昨年10月現在)。首相は記者団に「(訪日外国人の増加を)一過性のものに終わらせてはならない。地方の免税店を増加させていく目標を新たに立てる」と語った。入国管理手続きの迅速化などを盛り込んだ「観光立国アクションプログラム2015」の策定を急ぐよう指示する意向も示した。
首相は、高野山真言宗の総本山金剛峯寺や、密教の世界観を仏像配置で立体的に表した壇上伽藍(がらん)金堂などを見学。中西啓宝座主との懇談では「英語以外にもフランス語などさまざまな言語で案内することは重要だ」と述べた。外国人観光客とも懇談した。