2020年夏季五輪の東京開催で、都は13年から20年までの国内経済波及効果を2兆9600億円と試算している。ただ、民間のエコノミストは、首都高速道路の改修や観光立国へ向けた動きが加速し、効果はさらに大きくなると見込む。五輪招致は「最大のアベノミクス」(大和証券)との指摘もあり、日本経済の起爆剤になることが期待されている。

 大和証券チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏は「(20年までに)国内総生産(GDP)を3%程度押し上げる年があっておかしくない」と指摘する。ベースが1%なら4%となり、バブル期の1990年度の6.2%以来なかった成長を夢見ることができるのだろうか。

 都が示す効果はあくまで大会開催に関わる直接的な支出が対象。業種として、世界各国から訪れる大会関係者や観戦客による飲食費、宿泊代などを含むサービス業が6510億円、競技会場や選手村の整備などの建設業が4745億円などを挙げている。

 しかし、例えば安倍政権の「クールジャパン」戦略では、アニメ、音楽、美食、工芸品などの海外売り込みに政府が500億円を投入することを決めている。事前イベントも含め、メディアや訪日客に「日本を見てもらう見本市のようなもの」(大手証券)で、観光立国への脱皮の千載一遇のチャンスになる。コスプレの「聖地」秋葉原だけでなく、世界遺産への観光も盛況が期待できる。

 さらに、市場関係者は、1964年の東京五輪を機に建設が進み、50歳を迎えて老朽化している首都高の大幅改修論議に追い風とみているなど、このところ肩身の狭かった公共事業が脚光を浴びる機会にもなりそうだ。 


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