今、変化が始まる」―。フランス大統領選挙で社会党のオランド前第1書記が勝利を決めた6日、パリ市内では支持者ら数万人がバスチーユ広場の特設会場などに繰り出し、新大統領の誕生を深夜まで歓喜とともに祝った。
 広場には選挙結果を聞きつけ、三色旗や社会党のシンボルの赤いバラを手にした市民らが続々と集まり、身動きが取れないほどに。支持者は「サルコジ(大統領)は終わった。オランドが勝った」と連呼し、喜びを爆発させた。
 オランド氏は仏南西部の地元チュールで支持者を前に「勝利を可能にした皆さんに深く感謝する」とあいさつ。その後、事実婚パートナーのバレリー・トリルベレールさんと専用機でパリに移動。広場に姿を現すと、待ちわびた支持者から割れんばかりの歓声が上がった。
 パリの舞台美術家クリスティーヌ・ラボパンソンさん(50)は「まずフランスを癒やし、回復させる必要がある」と興奮気味に話し、人間味にあふれた政策の実現を訴えた。
 一方、再選を逃したサルコジ大統領は、パリ中心部の会場で「最善を尽くしたが、国民の過半数を説得できなかった。全ての責任は私にある」と敗北を認めた。