8月6日から始まったイギリスの暴動を日本のマスコミは正確に伝えてこなかった。8月11日現在、被害死者数は4名と報告されているが、死者数の与える印象をはるかに超えた社会的「無秩序化」がイギリス全土を覆っている。この暴動は、略奪と暴力自体を目的とした、騒乱状態であり、いかなる社会的・経済的な抗議行動でもない。 若年層の高失業率が潜在的現在の一つであるのは明らかだが、それだけですべてを説明できるわけでもない。イギリス人としてのアイデンティティを持てない貧困層の若者の多くが失業状態にある。彼らが異常な暴動を引き起こしている勢力の1つであることは確かである。