【北朝鮮情勢とチャイナ情勢、そして移民問題】
― 無力、曝したチャイナ外交と米中対立の激化
11月23日の北朝鮮の韓国砲撃は、アメリカとの直接2国間交渉を開きたい北朝鮮の瀬戸際外交である。
決して「挑発行為」ではない。謂わば、「弱者の恫喝」であり、アメリカが2国間交渉を開始し、現体制の保全を約束しないと、北朝鮮は暴発するかもしれない、という事を主にアメリカ、そして関係各国に知らしめる為の恫喝外交である。
実は北朝鮮は、今までもこのような「恫喝=脅迫」外交を行ってきた。その手段は時には「ミサイル発射」であり、時イには「原爆実験」であり、時には「国境線近くにおける不穏な行動」であった。(今年3月の韓国の哨戒艦「天安」の爆破事件もそうであるかもしれない。)
謂わば悪質な「かまってちゃん」外交なのである。
韓国もアメリカも本格的な反撃をする可能性は殆どないので、第二次朝鮮戦争に発展するリスクは今のところ極めて低い。
こういった北朝鮮の突発的な恫喝外交が起きる度に、メンツを失っているのがチャイナ外交である。
6カ国協議の枠組みは、チャイナの北朝鮮に対する影響力の行使を通じて、北朝鮮を融和しようというものであるが、実はチャイナには北朝鮮の行動を抑止する力がない事が、北朝鮮の恫喝外交によって明らかになってきた。
北朝鮮はチャイナの属国と化する事を恐れており、チャイナの桎梏を離れて、アメリカとの外交関係を開き、アメリカに体制保全の約束をさせたいと考えている。これが北朝鮮外交の近年変わらぬ基本線である。全ての予測不可能と見える恫喝は、この為に行われている。
▼移民問題について質問があったので、お答えした。
日本が、大量の移民を受け入れるべきであるという議論を未だにしている人達がいるが、ただでさえ失業や賃金の低下が問題となっている日本が、これ以上、移民労働者を受け入れる事は、全く日本国民の利益に相反する行為である。
しかし、私は「移民」に全面的に反対な訳ではない。単純肉体労働者の受け入れには反対である。これは、英独仏などの先進国が単純肉体労働の為の移民を導入して、国内に大きな問題を抱え込んでしまった実例を見れば、日本がその過ちを繰り返してはならない事はあまりに明白である。日本が異常に好景気で本当に人手不足であったバブルの時代に外国人労働者受け入れを主張する事には、それなりの理由があったが、現在の失業者の増大と賃金低下が問題になっている時に、外国人労働者を受け入れを増やそうなどというのは、国益を破壊する愚論中の愚論である。
但し、私はホワイトカラーを中心に優秀なエンジニアや科学者や特殊な技能の持ち主で、日本を愛し、日本で働きたい人がいるならば、日本経済の更なる発展の為に優秀な人材をドンドン受け入れるべきである、とも思っている。
日本国を愛し、よき日本国民となり、日本国に忠誠を誓ってくれるような、知的生産者であるならば、これを受け入れる事には全くやぶさかではない。当然、こういった知的階級の移民の数は、そう多数とはならないであろう。
要するに、日本経済を発展させ、日本コクを強くする為の少数の優れた移民ならば積極的に受け入れるべきであると考えている。