政府の国家戦略室に設置された「予算編成のあり方検討会」による予算編成の取りまとめが、遅々として進まない。すでに複数年度にわたる予算の導入は先送りが決定。目玉となりそうな編成過程の透明化も、財務省の異論が根強く、平成22年度予算では内閣府予算の一部試行にとどまる可能性が大きい。“指令塔”の大方針が定まらない現状に、政府内からもいらだちの声が漏れている。(杉本康士)
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検討会には、菅直人副総理・国家戦略担当相のほか、国家戦略室長の古川元久内閣府副大臣、野田佳彦(よしひこ)財務副大臣ら政府側と有識者メンバーが出席し、これまでに3回の会合を開いた。
14日の第3回会合では、予算編成の新手法素案を提示。22年度予算編成から導入する手法として予算編成過程の透明化や、使い切りを防ぐための繰越金制度活用などが盛り込まれた。ただ、菅氏が提唱してきた予算の無駄な執行を防ぐ複数年度予算の導入に関しては、23年度以降の課題に先送りされた。
22年度予算編成からの新手法導入には時間的制約もあるため、戦略室関係者は、編成過程の透明化を優先して実現する考えだ。古川氏も14日の記者会見で、「22年度予算については、できる限り透明化できるものはしていきたい」と強調した。
また、検討会は事業ごとに担当者がどのような査定を行ったのか明示し、インターネット上に公開する方針。だが、財務省などから「国の予算編成は途中段階の公開になじまない」「途中経過を公表すると政治的圧力がかかる」といった反論が相次いでいる。
このため、22年度予算では菅氏が担当する内閣府の科学技術予算などに絞って導入する方向で調整中だ。他省庁の予算でも「いきなり素っ裸になれと求めないが、上着1枚ぐらいは脱いでほしい」(別の戦略室関係者)として、一定の透明化を図りたい意向だが、結論は来週に持ち越された。
「理念に関する話ばかりで前に進まない。地に足が着いていない部分がある」
検討会出席者の一人はこう嘆息してみせた。
頼むから、火が燻っているうちに辞めてくれ(;°皿°)。
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検討会には、菅直人副総理・国家戦略担当相のほか、国家戦略室長の古川元久内閣府副大臣、野田佳彦(よしひこ)財務副大臣ら政府側と有識者メンバーが出席し、これまでに3回の会合を開いた。
14日の第3回会合では、予算編成の新手法素案を提示。22年度予算編成から導入する手法として予算編成過程の透明化や、使い切りを防ぐための繰越金制度活用などが盛り込まれた。ただ、菅氏が提唱してきた予算の無駄な執行を防ぐ複数年度予算の導入に関しては、23年度以降の課題に先送りされた。
22年度予算編成からの新手法導入には時間的制約もあるため、戦略室関係者は、編成過程の透明化を優先して実現する考えだ。古川氏も14日の記者会見で、「22年度予算については、できる限り透明化できるものはしていきたい」と強調した。
また、検討会は事業ごとに担当者がどのような査定を行ったのか明示し、インターネット上に公開する方針。だが、財務省などから「国の予算編成は途中段階の公開になじまない」「途中経過を公表すると政治的圧力がかかる」といった反論が相次いでいる。
このため、22年度予算では菅氏が担当する内閣府の科学技術予算などに絞って導入する方向で調整中だ。他省庁の予算でも「いきなり素っ裸になれと求めないが、上着1枚ぐらいは脱いでほしい」(別の戦略室関係者)として、一定の透明化を図りたい意向だが、結論は来週に持ち越された。
「理念に関する話ばかりで前に進まない。地に足が着いていない部分がある」
検討会出席者の一人はこう嘆息してみせた。
頼むから、火が燻っているうちに辞めてくれ(;°皿°)。