「実は、伝えるべきか
 とても迷った事が
 ありまして……
 
 けれど、余計なお世話でも
 あって、傷つけてしまうかも
 しれないのですが、どうしても
 お話ししたいと思いメールを
 出しました…」


会話が途切れ、お互いに
コーヒーを飲むと
瑞月さんから、迷いが

あるような話し方で、
再会の目的となる話が
始まった。


「私は何をいわれても
 大丈夫です。
 
 瑞月さんが元気に活躍
 されてることを知り
 それだけでも嬉しかった
 です。
 遠慮なく教えてください」

「…はい。
 あくまで噂です。
 そのことを念頭において
 聞いてください。

 当時、まぁみさんが
 いなくなった事が知れ
 渡り、しばらくたった頃、
 元旦那さんが体調を崩して
 会社を早退したり休んだ
 りする日が続いたそうです。

 頬骨がわかるくらい痩せて、
 腕に採血か点滴後のテープを
 つけていることもよく
 あったとか。

 それで、本当のところは
 わからないのですが、
 その時に元旦那さんが、
 その、海外の風俗と
 いいますか、そういう
 ところで病気に感染した、
 というような話があり
 まして…」

「風俗から感染?」

「まぁみさんにこんな
 話をするのは、申し訳
 なく、無駄に嫌な思いを
 させてしまうことに
 なるのではないかと
 思ったのですが…、
 元旦那さんはよくアジア
 方面へ出張にいって
 ましたよね」

「はい」

「そういう時はいつも、
 その、男の悪しき行い
 みたいなものがありまして。

 きまったメンバーで
 女性のいるお店へ
 行くんです。

 違法なところではなく、
 観光客がいくような
 体の関係を持つところで…」

「そこから性的な
 感染をしたということ
 なんですか?」

「はっきりしたことは
 なにもわかりません。

 ただ、たとえ噂で
 あってもその病気が、
 HIVでして……
 本当にごめんなさい」


会社で貞彦さんの様子が
おかしくなりはじめた頃、
海外へ出張にいっても
いつものメンバーと
行動することを止め、
他にも社内で感染を
匂わせる妙な言動が
あったり、仕事の業績も
落とし、その噂は瑞月さん
の元まで届いたという。

私は、言われたことを
飲み込めていないまま
返答をする。


「海外でそのような遊びを
 していることは初めて
 知りましたが、貞彦さんとは
 色々ありましたので、今更
 驚くようなことではあり
 ません。

 でもその噂であるものを
 わざわざ私に知らせるという
 のは、かなり勇気のいること
 だったと思います。

 今のところ、私は元気にして
 いますが、検査はしようと
 思います」

「憶測なので安易に発言
 するつもりはまったく
 ないのですが、もしも
 のことを考えると、
 HIVは潜伏期間も長く、
 早期治療がその後を
 左右します。

 元旦那さんに聞いたところで
 本当のことをいっている
 のかはわかりません。

 確実なのはまぁみさんが
 検査をされることです」

「…そうですね」

「お子様もいらっしゃるので、
 こんなことをいってしまう
 ために呼び出したお叱りを
 頂く覚悟できました」


HIVは感染してもすぐ気が
付かないらしく、万が一
貞彦さんが感染していても
それが私と暮らしていた時
なのか、その後なのかは
わからない。

離婚後、長く続いた
平穏すぎる日々は
こんな理由で1度ストップ
した。

 

↑瑞月さんと奥さんの事。

 

 

☆過去のお話になります。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

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本日から5話まで無料、20話まで

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【絵本の紹介になります】

保育園や幼稚園でもみかける

絵本です。

電車が大好きというわけでは

なくても、男女関係なく

みんなが楽しく読めます。

 

蒸気機関車で出発すると、途中で

新幹線や貨物列車を見つけどんどん

連結していき、線路が切れていれば

つないで、夢のような電車の旅をします。

 

この絵本のすごい所は、色々な

電車が登場して連結していく

なかで、連結した電車は

それぞれの特徴的な役割を

はたしてくれるので、電車好きな

男の子の心にもしっかり届きます。

 

他にもシリーズがあり、夢の

ような旅となっているので、

この絵本から出発することを

お勧めします。

 

最後の最後までお読み

頂きありがとうございます。

昨日、このブログを2017年

から読んでくださった方が

長い闘病の末に亡くなりました。

 

体調のすぐれない時でも

毎日読みに来てくださり、

必ず「いいね」をおして

くれる方で、その方の

ブログの更新がない時、

「いいね」を探しては

ほっとしていました。

 

そんな「いいね」が

少し前からなくなり、

それは私の投稿がいまいち

だったに違いないと

自分の中にある触れたくない

不安を追い払っていました。

 

だけど、ご冥福を

お祈りいたしますと

いわなくてはいけない日が

きてしまいました。

 

でも、今日までは

「いいね」を探したいです。

 

そんなことを書いたら、本当に

「いいね」を押してくれる

ような気がします。

 

 

感謝しかありません。

心からご冥福をお祈りいたします。

有難うございます。