ロシアでは、ただ今インフルエンザが猛威をふるっていて、とうとう、モスクワの小学校は、今週一週間、全校学校閉鎖となってしまいました‥。あせる
皆さんも、どうぞお気をつけくださいね。

ところで、少し前なのですが、モスクワ在住で小さなお子様がいらっしゃる日本人のお母様とお話する機会があったのですが、モスクワの家を借りる際、大家さんに、『日本人は5歳まで子供を叱らないというけれど、壁に落書きとかされたくないから、ちゃんと叱ってね』 と言われたというお話を伺いました。ガーン

“日本人は、5歳まで子供を叱らない”

そうなんです‥。
ロシアで、日本人の子供のしつけというと、なんとこれが定説で、私も、何度も質問された事があります。汗
皆さんが、もし、こんな質問をされたら、どう答えますか?
私が、最初にこの質問に出会った時、正直なところ、それまで意識して考えた事も無く、 『叱り方や、叱る理由に、それぞれの家庭で差はあるけれど、子供を叱らないという事は決してない。』 と、当たり障りのない、私の意見を答えました。

そんな事もあって、じゃあロシア人は、どうなんだろう?と注意して観察するようになりましたが、やはり、私達日本人の“しつけ”とは、ちょっと違うと思います。

これは、友人の話なのですが‥。
とても恥ずかしがり屋の息子さんは、小学校低学年の頃、授業中に、トイレに行きたいという事を、担任の先生に言い出す事が出来ず、教室でお漏らしをしてしまいました。
恥ずかしがらずに、先生に伝えなければいけない事を、お母さんが注意しても、やはり、言えずに、教室でお漏らしをする事が何度か繰り返されてしまいました。お友達にも笑われてしまうようになって、困りきってしまったお母さんは、とうとう、
『あなたは、何を言っても理解出来ないのねドンッ
男の子の耳を掴んで、真っ青に内出血してしまうほど、思い切りつねりあげたのです。叫び (ちなみに場所は一般の歩道ですあせる
男の子はもちろん号泣です。
そして、ちょうど、その時、たまたま自分は看護婦さんだという女性が、その場を通りかかって足を止めたのですが‥。

『それで、もし、まだお母さんの言う事が聞けないっていうのなら、私はこの鞄の中に太い注射を持っているけど、どうする?』

すると男の子は、すぐに泣き止んで、『もうこれからはちゃんと先生に言う』 と誓い‥、お母さんと看護婦さんは、顔を合わせて頷きあったのでした‥。

私はというと、耳が真っ青に内出血してしまった時点で、お漏らしの事なんか吹っ飛んで気が動転していましたし、看護婦さんが通りかかった時は、よかった!と思ったにもかかわらず、思わぬ展開に、唖然と、立ちすくんでいました‥叫び
でも、手段はどうあれ、お母さんが解決したかった問題は解決して、本当にこの先、この男の子がお漏らしをする事を繰り返す事はなかったのです‥。

ロシア人は、とても子供を大切にする国民です。非常に深い愛情をかけて育てます。
子供の良い所は、言葉にも態度にもたっぷり表して褒めてあげますが、しかし、NOである場合は、絶対的なNOの態度をもって厳しく、全く容赦がないかもしれません。
私なら、まあいいか‥と、思ってしまうところ、そんな曖昧さが、無いのです。
ですから、ロシアで、体罰は、あくまでも常識的で正常な範囲のものであれば、否定的には、受け取られず、むしろ、小さい子供には、いけない事をいけないと理解させる為には必要な最終手段であると理解されていると思います。ですから、友人のケースのように、お母さんが子供に、何か大切な事を言い聞かせようとしていると理解されれば、この看護婦さんのように、お母さんの方を援護してしまうのです。

先日も、華音と地下鉄に乗っている時、一人の小さな男の子が、お母さんに何かお願いをきいてもらえなかったようで、泣きはじめてしまいました。
すかさずお母さんは、自分の意見が通らなかったからと言って電車内という公共の場で泣き始める事は間違っていると叱り始めました。
『あらあら、可哀相に‥あせる』 と、思ったのは、華音と私だけで (そしてこのブログを読んでいる皆さんも、もしかして?) 、周囲のおばあちゃんはじめ女性達が、お母さんのお説教に大きく頷きながら、すぐさま掩護射撃も始まってしまいました。汗

日本では、自分の子供以外のしつけに介入するような事も、まず有り得ないですよね。
おじいちゃん、おばあちゃんでも、孫のしつけとなると遠慮してしまうケースが多いと思いますが、ロシアでは、子供は、周囲の皆の大人の目に見守られていて、区別無くお説教されてしまいます。
ですから、ロシアで子供と一緒にいる時に油断していると、親の自分が叱るよりもずっと早く、周囲の誰かに子供が注意を受けてしまう事は、稀ではありません。
択人は、小さい頃から帽子が大嫌いで、本当に寒い寒い真冬以外は、かぶせてもすぐに自分で脱いでしまっていたのですが、これにはもう、道行くおばあちゃんに、いつも叱られていました‥。NG (母親の私はさらに叱られます。ガーン
でも、叱られるばかりではなく、危ないから気をつけるようにと注意を促してもらったり、困っていたら、助けてもらったり‥、ロシアでは、子供達は、社会全体から注意深く温かい眼差しで見守られていると感じます。

最後に、“しつけ” というと、思い出してしまう話をもうひとつ。音譜
華音がまだ2年生くらいの頃、学校で同じクラスのロシア人ママ達が話していました。

『うちは縄跳びかしら』
『あら、うちも』

てっきり健康にいい運動の話かな?と思って輪の中に入ってみたのですが‥、

『うちは、ベルトよ』

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『それが、うちは、タオルなのよ‥』

ああひらめき電球子供が言う事を聞かなかった時に、“何でお尻を叩くか” という話だったんですビックリマーク
どうやら、これが、ロシアの家庭のお仕置きのスタンダードのようですが‥。

“日本人は、5歳まで子供を叱らない”

ロシア人の目には、本当に、そう写ってしまうのかもしれないなあと‥、最近では、考えてしまいます。にひひ