かがみの孤城(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

  ■あらすじ

 

●こころ…主人公、不登校、中1 

●アキ…しっかり者、中3

●リオン…サッカー少年、中1

●スバル…礼儀正しく優しい、中3

●ウレシノ…ぽっちゃり系、中1

●フウカ…ピアノ女子で眼鏡っ子、中2

●マサムネ…ゲーム好き、中2

●オオカミさま…城の案内役、狼の面をつけている

●喜多嶋…フリースクルールの先生、理解者

 

中学1年生のこころ。

学校で女子グループからの執拗な嫌がらせに会い、学校に行けなくなっている。

母に連れられて行ったフリースクール。

そこでこころは喜多嶋先生と出会った。

 

 

相変わらず学校には行けない、こころ。

ある日自室の鏡が光りだし、その中に吸い込まれてしまった。

吸い込まれた世界には大きな古城があり、ほかに6人の中学生が来ている。


 

 

「ここで鍵を探す」

「鍵を手に入れたら、何でも願いが叶う」

「城にいられる時間は、日本時間の9時から5時まで」

「5時を過ぎたらオオカミがやって来て喰われる。その時一緒に城にいたメンバーも連帯責任で喰われる」

「鍵を見つける期間は今日から来年の3月まで」

 

 

オオカミさまから注意を受けたこころたち。

 

 

はじめこそぎくしゃくしていた6人だが次第に打ち解けあっていく。

彼ら彼女らはほぼ全員が不登校で、リオンだけが海外の学校に通っていた。

 

 

鍵を探す合間にだべったりゲームをしたりお茶会をしたり。

現実世界で家族以外の交渉がないこころにとって、城はとても過ごしやすい場所になっていくのだ。

 

 

緩やかに、でも確実に時は流れる。

 

 

ウレシノは、このメンバーの中でもいじられキャラになっており、ある日ついに爆発してしまう。

「明日から学校に行くからプンプン!

 

 

でもウレシノはあちこちに怪我をした状態で、再び城に戻ってきたえーん

 

 

こころに学校に行「け」ない理由があるように、

ウレシノにもマサムネにもスバルにも、フウカにもアキにも、

学校に行「け」ない理由があったのだ。

 

 

ある日アキが尋常じゃない状態で鏡の世界にやってくる。

ガタガタ震えながら蹲るアキ。

その制服は、こころの通う中学校のもの。

つまりみんな同じ中学ってことじゃん。

おまけに喜多嶋先生のカウンセリングを受けている子もチラホラ。

 

 

マサムネから、

「親の意向で転向させられそうになっており、友達がいると示したいから一度保健室でもどこでもいいから来てもらえないか」

と懇願されたみんなは、決めた日に学校に行くことにする。

こころも頑張って保健室に通うが、結局誰もそこには来なかった。

 

 

城では、みんなが行ったのになぜ会えなかったのかが問題になる。

スバルに至ってはマサムネの教室まで行ったのに会えなかった。

世界線が違ってるんじゃないだろうか?

 

 

そしてオオカミさまの発言で、

 

 
「鍵を見つけ願いをかなえたら、城にいた時の記憶は全部消える」

 

ことも発覚。

 

 

ある日。

こころがいろんな事情で城に行けなかった日。

かがみが割れる。

 

 

アキが5時を過ぎても帰らずオオカミに喰われたと皆が伝えてくる。

アキとともに自分たちも食われる、と。

 

 

こころは鏡の世界に入り、ひたすら鍵を探す。

鍵を手に入れ、願いをかなえようとしたその時。

アキやみんなの現実生活が頭の中に入り込んでくる。

 

 

中学で不良になり、学校では浮きまくり、家庭では性的虐待を受けそうになっていたアキ。

アキは現実に戻りたくなかったのだ。

ずっとピアノ漬けで普通の生活を送れなかったフウカ。

バカにされATM扱いされ暴力を振るわれていたウレシノ。

嘘つきと蔑まれいわれのない攻撃を受けていたマサムネ。

周囲から孤立しひっそりと息をひそめていたスバル。

そして幼いころ姉と死に別れてしまい、母がそのことにずっととらわれているリオン。

 

 

願いは叶い、アキたちも戻る。
そこで、
自分たちが同じ中学に通っているのは事実。
ただし通っている時間軸が違う。
そのことを発見する。
 
 
最年長のスバルは1985年に中3で。
ウレシノは2027年に中1。
 

 

記憶は失ってしまうけど、それぞれがそれぞれの道を歩き始めようとしていた。

 

 

リオンはオオカミさまの正体が、昔亡くなった姉だと見破る。

唯一、城の記憶を無くさず現実世界に帰れるよう、オオカミさまに頼みこんでいた。

 

 

春。

学校にあんま行きたくないこころ。

進む足が止まりそうになる…。

そこに現れたのは、帰国して日本の中学に通うようになった、リオン。

 

 

こころは、リオンに誘われ、前に向かって進みだす。

しっかりと自分の足で、自分の意思で。

 

 

■おしまい 

 

 

 

 

  ■感想

 

 

出典: (C)2022「かがみの孤城」製作委員会

 

 

原作未読。積読状態。

読まなきゃ!

 

 

辻村深月さんが原作で、原恵一さんが監督。

もう観るしかないでしょう?

ちな、原さんの作品の中では「河童のクゥと夏休み」もお勧め。クレしんはメジャーになったし。

 

 

こころに対するいじめは観ていて「犯罪じゃん驚きびっくりマーク」と歯噛みした。ギリギリ。

お母さんが、最初は「学校行けや」って態度だったのに、真相を知ってからは担任の先生にもビシッと言ってくれて(この担任クソ)「お…オカンっ!」ありがとうって気持ちになったでごわす。

 

 

そして城に集まるみんなのバックボーンを知るにつれて、

「そんなん無理して行かんでええわちょっと不満

と言う気になってしまう元不登校児童の母であるマダム。

 

 

特にアキの悲惨さは、女の子に対してなんてことしくさるんじゃと、ここでもギリギリむかつき

アキとフウカとこころのお茶会が、女子会と言う感じでほわほわしてて良かった。

ここのお茶も伏線。

 

 

ウレシノとマサムネと言う難しいキャラは本職の声優さん。

マサムネの「真実はいつもひとつ!」には笑ってしまった。

 

 

実は年代が違うという大きなトリックはさすがの辻村さん。

アキが大人になって喜多嶋先生になるのも、

あの時みんなに救われたアキが、学校と言う場所で孤独になっている仲間を救い出したのかと思うともう泣けて泣けて泣くうさぎ

 

 

当然記憶は消えてるけれど。

あの時の「想い」は心の奥底にあったんだなぁ。

 

 

ラストのリオンは、オオカミさまに善処してもらって記憶が残ってたのかな。

こころが渇望していた「転校生が…」の件を回収したってことでOK?

 

 

ゲーム大好きでいつも一緒にゲームをしていたマサムネとスバル。

スバルはそのおかげでゲーム作家になれたし、マサムネが嘘つき呼ばわりされた「事実」をねじ伏せたんだと思うと…うるうる。

マサムネが名前ではなく名字で。

実は政宗青澄(アース)と言う名前だったことも、時代やニコニコラブラブってなりました。

 

 

キラキラした煌びやかで華やかな画面ではないし地味なキャラ揃いですが、

キラキラがなんぼのもんじゃい。

 

 

つながっていく想い。

つながっていく感情。

つなげていく想い。

つなげていく意志の力。

いつか大人になった時に、

誰かを救えるように…。

それが、成長ってことさ。

アキとスバルが、その「想い」でこころたちを救い、マサムネを救ったように。

 

 

この映画のテーマは。

不登校という問題に切り込みながら、

細かく伏線を張り巡らせ、

それを回収する上手さ。

さすがでございます。

まだ観ていない方、是非ともご覧くださいませ。

上矢印

これ!
 

 

願わくば。

願わくば。

「私より年下だったんだ」とがっくり来ていたフウカちゃん(実はウレシノに好意を持ってた、萌えるシーン)とウレシノが、どこかで出会って、年の差なんか気にせずお付き合いして幸せになってくれたらいいなぁって。

ウレシノ、いいやつだから。

本を読んだらそちらの感想も書きますね。

ポチスター

にほんブログ村 映画ブログ 映画日記へ
にほんブログ村