ウィッチ(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

神さんとの距離は、困った時の神頼みくらいがちょうどいい。

 

信仰心の深い一家がご近所づきあいから孤立。

村を出て暮らし始めたものの、生活苦やら、全然神さんは助けてくれはらへんやらで、メンタルがやられていきはって、そのしわ寄せが…。

 

 

 

 

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==登場人物==

 

トマシン…長女、美人。

ケイレブ…弟、姉に仄かな想いを抱く。

ウィル…父、信仰心は深いが、ちょっとアレ。

ケイト…母、信仰心は深いが、ちょっとアレ。

双子の妹弟…クソ生意気なガキども。

赤ん坊…すぐ消える。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

 

信仰心の違いからトマシン一家は村を出て(=他人と折り合えない両親のせいで町を追い出され)荒れ地に居を構えました。

生まれたばかりの赤ん坊の面倒を見ていたトマシン。

ちょっと目を離した(いないいないばぁ~~としてただけ)隙に赤ん坊が消えてしまいます。

 

 

冬を迎えるってのに、一家の唯一の作物であるとうもろこしも不作…。

父はケイレブを連れ、森に仕掛けた罠の様子を見に行きます。

しかしそんなにうまく罠に獲物がかかるわけもなく、見つけたうさぎ一匹すら手に入れられない父親。

そんな父親が行う能動的な行為は「神に祈ること」だけ。

 

 

 

 

双子の妹弟はトマシンを舐めきってるのか、手伝いもせず歌を歌って遊んでばかり。

彼女たちは飼っているヤギと話ができるそうで、トマシンを軽んじています。

怒ったトマシンは「私は魔女だから、あんたなんかひねりつぶせるんだからね!でもこのことを誰にも言うな、言ったらコロスから」と脅しました。

ケイレブは「ちょ、そんなこと言うたらやばいんちゃうん?」と止めますが、苛ついてるトマシンはちょっとスカッとした様子。

 

 

 

 

母はトマシンにばかり仕事を言いつけます。

母と父は困窮する家計を助けるため、トマシンを村の家に奉公に出そうと相談。

 

 

姉に「女性」を感じ始めていたケイレブ。

食べるものやらがあれば、とマシンは追い出されない…と思い込み、トマシンと一緒に森に狩りにでかけ、そこで行方不明に…。

トマシンのみが家に戻ってきます。

ケイレブはその頃、森のなかで女性に出会い「うふん、かわいい坊やね…こっちコイコイ」されていたのでした。

 

 

ラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブ

 

 

子供が2人連続で消えてしまった母は半狂乱になり父と諍いを起こします。

いたたまれないトマシン。

そんなある日の真夜中、ケイレブがフラフラになって帰宅、帰宅した後は意識が錯乱し意味不明のうわ言を言ったり悲鳴を上げたり、どう考えても尋常じゃありません。

 

 

母親は、不幸を全部魔女のせいにしていました。

妹が「トマシンは魔女や」と騒ぎ立てよります。

「ちょ…何を…魔女なんかじゃないわよ」

悪いことにケイレブは、苦しみ抜いて狂乱し、その果てに死亡。

 

 

母親はトマシンを魔女認定してしまいます。

 

 

かばってくれなアカンはずの父親も魔女認識。

「ちょ、まって、双子はヤギと話できるって言うてたんよ?魔女やとか何やら言うなら、まずそっちをなんとかしなさいよ!お父ちゃんもお母ちゃんもアホなん?優先順位おかしいやん?

それにお父ちゃんは父親ぶってるけど、なんにも出来ないやんか。とうもろこしすらまともに育てられへん、農作業も出来ひん、狩りもできひん、あんたに出来るのは祈ることだけか!」

ついに父親に逆らうトマシン。

父親、カーーーーっ(怒・怒・怒)。

トマシンと双子をヤギ小屋に閉じ込めてしまいました。

この中で双子は何者かに襲われます。

 

 

母親の精神も崩壊寸前、つか崩壊。

サムの幻覚を見て「おっぱいあげるね」とお乳を与えるのですが、サムではなく烏。

母親は烏に身体をついばまれてしまうのでした。(アイタタ)

 

 

翌朝、父親は瓦解したヤギ小屋を見つけて呆然。

「何事であるかーーー」言うてたら牡山羊に角で刺し殺されちゃいました。

 

 

!ドクロドクロドクロドクロドクロドクロドクロドクロドクロドクロ!

 

 

母親が「弟を誘惑してたぶらかした!その次は父親もたぶらかしたんか!」と襲いかかってきました。

殺されそうになったトマシンは母親をナイフで刺してしまいますナイフ

 

 

家族はもういません。

血にまみれたトマシンの前に牡山羊が現れ「お前ののぞみを言うてみ?何でも叶えたるで、このノートにな、名前を書くんやで?」

「せやかて、字がかけへんし」

「手伝ったるさかい大丈夫やて、ここにな、こうやって…」

 

 

 

トマシンは、森の奥に進んでいきます。

焚き火のそばで女たちがトランス状態になっており、なんと彼女たちはどんどん宙に浮いて行くではありませんか。

トマシンはそれを見て笑います。

笑って笑って、高笑いしているトマシンもまた、

空中に浮いていました。

魔法少女・トマシン誕生。

 

 

      おしまい

 

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ホラー映画なんですが、ドキッ!ビクッ!グロッ!グッシャー!そういうのはありません。

多少あるけど、大したことない。

なのに、すごく気が重い。

 

 

荒れ果てた土地。

日差しのない土地。

父親と母親が、多分宗教上の違いから町の人達と決別して一家は食うのがやっと…いや食うのも難しい生活をおくることに。

家族の間もなんとなくちぐはぐ。

トマシンが唯一心を通じさせてるのは弟のケイレブ(下心ちょっとあり)だけ…。

 

 

 

 

スカッパレの青い空の下、肥沃な土地…そういう環境なら、作物だって多少失敗しながらでもいずれは成功していく可能性もあるけどさ。

荒れ地やん?

しかも気温は寒いやん?

そんなとこで、何を育てるんさ。

 

 

「来年は小麦も育てるぞ」

とうもろこし育ててから言えっちゅーねん。

 

 

 

そしてこの母親がね。

トマシンに対する意地悪にも思える仕打ちは、これはズバリ。

ジェラスィー。

こんな過酷な環境下でも美しく育つ若い娘に対して、過酷な環境のせいで瑞々しさも美しさも若さも失った女の嫉妬。

やだねー、娘に嫉妬するなんて。

 

 

信心深い家族。

神を信じることで団結してきた家族。

彼らがあっさり壊れていくさまが気持ち悪い。

 

 

赤ん坊をKILLし解体しその血を臓腑を体中に塗リつけていた魔女。

ケイレブを誘惑し死に追いやった魔女。

黒ヤギの中に潜んでいた悪魔。

 

で、魔女や悪魔は本当にいたのかしらん?

これが「本当のこと」なのかどうかもわからへんねん。

家族に虐げられていたトマシンが、策を弄して家族を陥れてたのかも知れない。

ラストのトマシンは、あの家から解き放たれた喜びに打ち震えていただけなんかも知れぬ。

もちろん、彼女もまた壊れていたのだけれど。

 

 

 

悪魔が憑依してえびぞりになるとか、そういうのはないけど、

なんでしょう、この、陰鬱さ…。

うさぎとかヤギとかが、人間をすごく冷酷な眼で見てるんさ。

怖いより気持ち悪い。

 

 

トマシン役のアニャ・テーラー・ジョイがむちゃくちゃ綺麗でした。

弟くんの迫真の演技も良かった。

しかし、双子の妹弟は大変むかつきました。

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