ラストでぐっと来ちゃったよぅ!
皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ [DVD] 2,950円 Amazon |
知ってる人は知っている、知らない人は知らない(当たり前)、鋼鉄ジーグ!
この映画は、腕も足もババンバンと飛び出さないけど、
ムネアツ!
爆弾テロが横行しているローマ。
チンピラ(かなり下っ端)のエンツォは、今日もやらかして逃走中。
切羽詰まって逃げ込んだ川にはドラム缶が不法投棄。
中には何やら怪しげな薬品が…。
その薬品のせいで体調がおかしくなってしまったエンツォ。
ゲボーゲボーゲホッゲホッガタガタブルブル…嘔吐風邪?
チンピラ仲間のセルジョはエンツォとヤクの運び屋を拉致って無人で廃墟っぽいビルの高層階に連れていきます。
しかしセルジョは、しょうもないことで拉致した運び屋に撃たれて死亡。
運び屋も死亡しますが、巻き込まれてエンツォも撃たれた上にビルの高層階から墜落。
なのになぜか生きてるやないのん&怪力を出せるようになってるやない。
…で、エンツォは何をしたか。
ATM強盗マジカ?
無理くり力任せにATMを引っこ抜いて持ち帰りはる。
セルジョにはアレッシアという娘がいました。彼女は「鋼鉄ジーグ」に夢中
鋼鉄ジーグの司馬宙を神のごとく崇めています。
う~~~ん、マダムにとっての剣士様的な?(聞いてへんわ)
エンツォやセルジョの上にいるジンガロ。
昔なんちゃら言うテレビに出た…ということを誇りに思っている(承認欲求と自己肯定能力が悪い方向に突出してる)クソです。
クソはクソなりに「チンピラワールド」で、そこそこの立場にいるのですが、「僕はもっと出来る子やし、もっと認められてええ子やねん」と言う思いがとっても強いのよぅ。
でも、上の立場にいるヌンツィアには頭が上がらないのねん。
チンピラワールドの上下関係はチビシーの。
ジンガロがセルジョの家にやってきて、セルジョの居場所を聞き出そうとします。
事情を知らない上に、少しばかり壊れているアレッシアは、まともな応答が出来ません。
見かねたエンツォがアレッシアを助け出し、アレッシアはエンツォを「鋼鉄ジーグ、司馬宙だわ」と思い込みます。
ATM強盗をしてるエンツォの画像がYou Tubeに流出。
「スーパークリミナル」と言う俗名をもらう羽目に。
スーパークリミナルのせいで、現金輸送車強盗の計画がパーになってしまい、ジンガロは怒り心頭。
しかも自分より目立ってるし!
この俺様より目立つなんて、ユルスマジですよねっ!
いろいろあってアレッシアと二人で暮らしだすエンツォ。
オパイポロリーンになるのも気にせずスースー寝てたり、かなり無防備なアレッシオにちょっとドキドキ。
でも、なんとなくそういう流れになるかなーって言う雰囲気を察したら、突如として動転し泣きわめき謝罪をするアレッシア。
「あれはいや!」
あ、これあれや。過去になにか厭な事があったパターンや!
そんで彼女は壊れたのだと薄々気づくエンツォ。
アレッシアが欲しがっていた「お姫様のドレス」をアニメショップで購入したらすごく喜んでくれ、Kiss Kiss Kissの嵐。
ムラムラして思わず行為に及んじゃったよ。
ちょーー!ここ更衣室やから!
自分勝手に欲望をぶつけ、力があるのにそれを正義の為に役立てない。
司馬宙なら…そんなことしない!
怒ってバスに乗り込むアレッシアを追うエンツォは、マスクもフードもなし、素顔のままでバスを停止させます。
これがオレの、愛の形!
その姿を皆がスマホやらで撮影、ネットに流れてしまいました。
ジンガロは度重なる失敗でイライラしており、彼の元を立ち去ろうとする仲間をKILL。
当然信頼をなくし、ヌンツィアから襲撃を受けてしまいはる。
応戦してたら、周囲にいた人を皆射殺。ヌンツィアにも重傷を負わせ、もう「取り返しがつかない」事態に。
自業自得って言うんやけどな。
ジンガロはネット情報でエンツォがスーパークリミナルだと知り、自分にもその「無敵のちからくれ!どうやって手に入れたんや」と迫ります。
アレッシアが人質なので正直に「ドラム缶の廃液が原因かと思います」言うてその場所に連れて行くと、ヌンツィアの部下たちが「お嬢の敵討ちーー」と襲撃してきよる。
このドサクサでアレッシアが巻き添えに!。
「みんなを救って…(あなたなら)ジーグになれる」
最後の言葉を残して、アレッシアは短い生涯を終えるのでした…。
ジンガロは火だるまにされ川に転落。
喪失感でいっぱいのエンツォ。
アレッシアがいなければ、ジーグになる意味もないではないか。
そんな時、事故に巻き込まれた女の子に遭遇するエンツォ。
利害も金銭への欲求も無い。
あるのは、
「ただ救いたい、弱き者を」
その一心だけで、少女を救うエンツォ。
エンツォの心に何かが灯ります。
「人のために生きる」
アレシッアが望んでいたことは、これだったのか…。
そしてまた、人々が彼に向ける眼差しは、今までの下っ端チンピラに向けられていた冷酷なものではなく、あたたかくてやさしくて…。
エンツォはジンガロがヌンツィアを殺し、世間に復讐することを宣言したネット画像を見てしまいました。
ジンガロは「力を手に入れて」帰ってきた…。
ジンガロは競技場を爆破しようとしていました。
エンツォとジンガロの死闘が始まります。同じ力を持った者同士決着がつきません。
こうなったら…と、時限爆弾を抱え走るエンツォ。
「もうみんな死ねば良いのさ」と行く手を塞ぐジンガロ。
残り時間はあと僅か、エンツォはジンガロと爆弾を抱えたまま川に飛び込みます。
そして爆風。
橋の上にジンガロの切断された首が吹っ飛んできますが、エンツォの行方はわからないまま…。
エンツォに対する世間の評判は賛否。
彼はヒーローなのか、力を手に入れたチンピラなのか。
ヒーローとは、なんなのか?
ヒーローの定義は様々だよね、それはわかってる。
だけどこれだけは言える。
我々の生活を見守るものの存在は、
未来への希望を照らす。
あちこちでいざこざと犯罪が起こる街。
アレッシアが作ってくれた手編みのマスクをまとい、
エンツォは街にダイブします。
そう、ジーグとして。
おしまい
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いやもう、汁気のない女(ちょっと気に入ったフレーズ)ダダ泣きでした。
エンツォ、全然格好良い人じゃないんです。
「すごいちからをてにいれた!」のにやることはATM強盗。
その強盗方法も全然スマートじゃない…。
強盗して手に入れた大金の使い道は、エロDVDとお気に入りのスイーツ(安物)。
なんとまぁ、リアルと言うか庶民的と言うか小物感満載と言うか愛おしいと言うか。
豪遊するとか、そういう考えがまるで無い。
手に入れたパワーもなんか中途半端で、ビームが出るわけでもないし、治癒能力は高くても足の指はくっつかへんし。
エンツォ自身が力の使い道をわかっていないところからのスタート。
「パワーを手に入れたZE!正義のために粉骨砕身で戦うZE!」
そういう考えが無いのです。
アレッシアも、ジーグの司馬宙に憧れる壊れてしまった女の子。
完璧なヒロインじゃありません。
いいえ、むしろ「なに?この女」って思う人が多いかもしれない。
精神年齢は多分小学生くらいでストップ。
その頃になにかあったのかなと想像すると、悲しくなります。
ジンガロも、過去の栄光にしがみついて「オレサマカッケェェェェェ!」原っぱでワンマンショーしてるジャイアンと変わらへん…ジャイアンよりは歌上手いけど。
皆が皆、すげぇ!じゃないんですよね。
市井の…下層階にいる人達の物語なんですよ。
大金持ちでもスーパー科学者でも異星人でも神でもアホの子でもない、本当にただの普通の人。
なのに、なんだ、この熱くなる展開は。
アレッシアをお姫様抱っこをしてバスから降りていくエンツォ!
イケメソすぎる。
「オンナノコ」としてこんな素敵な愛の告白があるでしょうか?
不器用だからこそ伝わる純粋さ。
ジーグという名を冠にしてるから、鋼鉄ジーグの実写化かいな?なんて思ってすみませんでした。
鋼鉄ジーグ?なにそれ?な人も観て欲しい。
ちな、鋼鉄ジーグってのは、永井豪先生原作のアニメ。
主人公の司馬宙(シバ・ヒロシ)はサイボーグ。
磁石の力でロボットになるねん。操縦タイプじゃなく一体化タイプ。
敵はハニワ幻人だよぅ。
イタリアで大人気だったらしいよ!
壊れているけれどピュアなヒロイン。
壊れているけれど自意識過剰な敵。
頭の悪いポンコツなチンピラが、ヒーローになるまでを描いた作品。
アベンジャーズやジャスティス・リーグのような、大仰なヒーローたちじゃない、等身大の…いや、かなりポンコツなヒーロー。
ポンコツだけれど、
「ヒーローとはなにか?」
その答えが、ここにある。
アレッシアが作ってくれた手編みのマスクをつけ、普段着で戦うヒーロー、エンツォ!
最高にかっこいい!
復帰第一作がジーグってのがマダムらしいでしょ?
ドライアイにもオススメだぽん。
こういうヒロイズムが嫌いな人は観なくていいよ。
あ、若干グロいシーンやエロッティがあるので注意ね!
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