東西南の三方をインドに、北方を中国チベット自治区に接し東南方向に細長い内陸国で、世界最高峰エベレストを擁するヒマラヤ登山の玄関口、ネパール。
お釈迦様が誕生されたことでも有名ですね。
それでは、ネパールのお葬式をご紹介します。

ネパール独特の文化や習慣は?

公用語はネパール語で、ネパール語 47.8%とほぼ半数を占め、その他93以上の言語と地方言語が、国内の様々な地域で民族の母語として使われています。
若年層の大部分は十分な英語を話すことが出来ます。
公式文書等でも英語が使われており、官公庁や企業、教育機関では英語が多用されています。
15歳以上で読み書きできる人の割合は48.6%で、男女比では6:4で男性の方が多く割合を占めていますが、識字率はあまり高くありません。
食文化はインド料理と中華料理・チベット料理が融合されたもので、国の位置がそれぞれの国に近いために生じた独特の食文化形成となっています。
その味は、インド料理に似ている料理では、香辛料・スパイス多用のカレーや豆類の煮込み、飲み物はヨーグルトから作られるラッシー、小麦粉からできたナンよりもチャパティーが多くみられます。
また、中華料理に似ている料理では、鶏肉のチリソース、モモ(ネパールの餃子)などが挙げられますが、激辛の味付をしているようです。
日本にも多数のネパール料理店がありますが、純粋なネパール式のダル・バート・タルカリ(ご飯とおかずのセット)を出せるようなお店は少ないようです。
なお、ネパールでは昼食を食べる習慣があまり無く、日中は菓子やチャパティなどの軽いものを口にする程度で、食事は朝晩2食であることが多いようです。
ヒマラヤ山脈を擁するネパールでは、世界的にブームのトレッキング・山岳観光のほか、ネワール文化を今に伝える町並み、ヒンドゥー教寺院・仏教寺院、ジャングルサファリ、ラフティングなど、観光資源が豊富であり、近年の盛りあがりで外貨収入の一翼を担っています。

ネパールの宗教は? お葬式の考え方は?

ネパール国内の宗教と宗教徒の割合は、ヒンドゥー教徒(81.3%)、仏教徒(9.0%)、イスラム教徒(4.4%)他、ほぼ8割がヒンドゥ教徒で占められています(外務省HP 2011年国勢調査より出典)。
葬儀の典型はヒンドゥー教の風習に則ったものだと考えられます。
こうしたことから、生まれてから死を迎えるまでの一生を通して、古来のヒンドゥー教の考え方とその経典の戒律を中心とした生活習慣や基盤が築かれていき、近年も家族や親戚の単位で葬儀が行われるのが主流です。
ネパールは多民族構成の国ですが、昔インドから入ってきたアーリアン系、もともとからネパールの地に住んでいるネワール民族、昔チベットや山岳から移動してきたモンゴロイド系に大別されます。
お葬式をすると、故人の息子や孫の家族の男性は頭を坊主にする習慣があり、1年間坊主頭で過ごすところもあります。
女性は普段髪を束ねていても、葬儀中は、髪を束ねません。
お墓の考え方は他のヒンズー教の国と同じく、亡くなると火葬をし、お墓を持ちません。
お釈迦様の時代から一般の人にはお墓は無かったものと思われます。
火葬した後で遺骨を川に流します。

 

火葬までの流れは?

通常、決められた川のほとりで亡くなった遺体を焼くようですが、午前中に無くなると大抵同じ日の夕方荼毘に付します。
午後や夜ですと翌日の昼間くらいになるでしょう。
既にお葬式の時にどのようにするかが、個人別に予め決まっているようで、すべて24時間で執り行ってしまうようなところもあります。
日本では考えられない程の大変なスピードです。
これでは親戚や遠い所に住んでいる家族らは大変ですが、近所の仏教寺院のお坊さんがお経を上げるのは日本とあまり違いはありません。
あるお葬式では、夕方指定された川に300人くらいの人達が参列しました。
そして滞りなく葬儀が執り行われ、夜8時には終了しました。
その翌日から毎日1週間は職場の同僚、親戚、ご近所、友人等が法事に来られるという流れで進んでいきます。
山奥の村のお葬式では、村の山の一番高い所に村人たちが集まって故人にみたてた人形を作り、その周りで一晩中踊り続けていたそうです。
その後、遺骨の一部を一番近い川に流されました。
 

どんな式?参列するときの服装や香典は?


祭壇を作りお参りされるのは同じですが、ネパールのお葬式は極めて質素です。
近所のご婦人達や家族の女性がお参りに来る方々にお茶や食事を出しますが、これは日本の田舎と同じ方法で、飲み物にアルコールはありませんし、メニューはとても質素です。
参列者をおもてなしする仕事はそれから1週間、朝、昼、晩と続いていきます。
ある家では毎日100人分の飲み物と食べ物は用意するそうです。
これは2500年前からのしきたりで法事を行うということであり、故人の家族は大変な労力が伴うことが予想できます。
白い衣装は、ネパールでは喪服の意味合いを持ち、喪中には、白い服、白い帽子、白い靴で通す人も少なくありません。
また、ネパールでは香典を持っていく習慣がありません。
またお花やお線香を持って行くこともありません。
それでも厳粛に葬儀の作法が決まっており、これらを仕切る町のリーダーが指図をし、円滑にお葬式が執り行われます。

 

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