
歴史の見方と言うのはどちら側から見るかで同じ史実が180度違って見える。
なので昨今よく取り沙汰される共通の歴史認識なんて出来るわけが無いと思ってます。
歴史小説が好きでよく読みますが、そもそも自分が歴史小説が好きになったきっかけは
池波正太郎の「堀部安兵衛」でした。以来、忠臣蔵のファンになって、高校卒業時の
春休みには赤穂まで旅行に行ったり、義士祭の泉岳寺にお詣りに行ったりしたことも
あり、いろいろな作家の忠臣蔵を読みました。
でも冷静になって今の常識基準で考えてみると、一方的にやられっぱなしの吉良上野介が
気の毒に思えてきます。今の法の下では浅野が悪いになりますからね。
作家の清水義範氏は名古屋出身なので三河の吉良上野介に同情的だったのかもしれません。
これは吉良側から見た忠臣蔵です。吉良の家臣や領民から見たら上野介は立派な名君だったのは
史実らしいので、この小説の上野介も勤勉で家族思いの殿様で一貫しない幕府の思惑に
振り回される悲劇の人として描かれています。
忠臣蔵の見方がちょっと変わって見えますね。