今年もブドウの生育が始まりましたね。クローバー

 

今回は、ひさしぶりに農薬のお話。

 

最近の僕の防除暦を紹介しながら、以前の記事で書いた内容もアップデートしていきたいと思います。

 

過去の『防除講座』とあわせてご覧ください。爆  笑

 

 

 

 

《1回目》

発芽直前の休眠期防除からスタート。芽が丸く膨らみだしてから展葉するまでの間に散布します。

昨年、べフラン液剤25が登録失効になり、石灰硫黄合剤と混用できる薬剤はベンレートしかなくなりました。今後は「ベンレート+石灰硫黄合剤」と「パスポート顆粒水和剤」を一年毎に使っていく予定です。石灰硫黄合剤は殺菌剤としての効果はあまりないので、殺虫剤として二年に一度散布すれば良いと思います。

また、石灰硫黄合剤は一箱18Lの容量で販売されているので、あまり細かく計量はできません。水200L当たりに一箱(18L)で約10倍と考えて調合してください。カイガラムシやハダニの害が少ない畑なら、水500Lに二箱(36L)でも大丈夫です。

 

《2回目》

一般的に休眠期防除の効果は30日程度持続するといわれていますが、ブドウの生育が早い年や天気の悪い年は、中30日では危険だと思います。僕は休眠期防除から約20日で2回目の散布を行います。

デランフロアブルは休眠期防除にも使える薬剤ですので、次回までのつなぎとして散布しておくと雨の多い年でも安心です。

 

《3回目》

ドーシャスフロアブルは浸透性もあって効果の高い殺菌剤です。成分でいうと「TPN(M5)+シアゾファミド(21)」で、シアゾファミドは耐性菌リスクが高い成分ですが、TPNという低リスク成分と混合することで安全性を高めています。

耐性菌リスクが高い殺菌剤を使いたいときには、複数成分の混合剤を選ぶとリスクを下げることができます。

 

《4回目》

アリエッティC水和剤は、三つの病気(べと・晩腐・灰かび)に効果がある便利な殺菌剤。希釈倍率が400~800倍なので、作りやすい500倍で調合しています。

 

《5回目》

病気の感染リスクが最も高い6月です。散布タイミングには「開花直前」とありますが、実際の開花状況に合わせる必要はありません。キッチリ10日間隔で散布していくことが病気予防の基本です。

 

《6回目》

ジマンダイセン水和剤(成分マンゼブ)は低リスクで安定した効果があるため、僕の防除暦には年二回登場するレギュラーメンバーです。ただ、EUではマンゼブの使用が禁止されたとのこと。今後、日本でも規制されるか気になるところです。

 

《7回目》

チオノックフロアブルも、低リスクで「べと・晩腐・灰かび」に効果がある上に激安という有難い薬剤。ただ、収穫前日数が60日なので、6月中に使っておきます。

また、ネット上でチオノックの混用事例を検索しても全くヒットしませんが、JAの『クミアイ農薬総覧』を見ると混用できる殺虫剤も結構あることが分かります(コルトやスタークルなど)。知りたい方は農協の職員に聞いてみて下さい。

僕の畑にはミズキカタカイガラムシが増えてしまったので、もう一度カイガラムシ対策でコルト顆粒水和剤を入れています。

 

《特別》

クビアカスカシバ被害が多い畑には、特別防除としてフェニックスフロアブルを散布します。垣根全体にかける必要はないので、通常の散布とは分けて、主幹部だけに集中的に散布すれば少ない薬剤で済みます。

梅雨の合間の主幹が乾いている時をねらって散布しましょう。

 

《8回目》

リドミルゴールドMZは、マンゼブ(M3)にべと病治療効果があるメタラキシルM(4)を混ぜた混合剤です。梅雨のべと病対策として入れておくと安心。ただし、メタラキシルMは耐性菌リスク「高」の成分ですので、年一回の使用にしておきます。

 

《9回目》

オーソサイド水和剤80(成分キャプタン)も、低リスクで「べと・晩腐・灰かび」に効果があり、しかも収穫30日前まで使えるレギュラー薬剤。アリエッティCにも入っている成分なので、ニ回目の登場です。ただし、希釈倍率が800倍(水500L当たり625g)なので、細かい計量がちょっと面倒です。

また、ブドウの葉を食べるコガネムシ対策には、テッパン液剤が便利です。残効が長く続くので、発生初期に一度散布すれば被害を抑えられます。

 

《10回目》

ここで後半戦の大黒柱、ICボルドー66Dの登場です。展着剤のアビオンEを添加して、50倍でしっかり効かせます。

ICボルドーは有機栽培でも使用できる安全性の高い薬剤。ただ最近は、成分の「銅」の土壌への蓄積が問題化していて、EUでは銅剤の使用量が制限されています。どんな成分でも、過剰に使用すれば害になり得ることを忘れてはいけませんね。

 

《11回目》

べレゾンの頃にも灰色かび病の胞子が飛ぶという説があるので、念のためのオンリーワンフロアブル。まだまだ副梢の伸びが止まらない畑には、べと病対策でレーバスも入れておきます。

 

《12回目・13回目》

二回目・三回目のICボルドー66Dは100倍で散布。

ブドウを白く汚したくないという場合には、同じ銅剤の園芸ボルドーやコサイド3000でもOKです。僕はICボルドーに含まれるカルシウムは肥料だと考えているので気にしません。

 

《14回目》

10月に収穫のメルロやカベルネ・ソーヴィニョンには、最後にもう一度、銅剤のコサイドを散布しておきます。

コサイド3000は、銅剤の中では比較的「銅」成分が少ない薬剤。注意書には、薬害の恐れがあるので炭酸カルシウム水和剤(クレフノンなど)を加用するようにとありますが、面倒なので僕は入れていません。この頃にはブドウの葉は厚く成熟しているので、薬害の心配はないと思います。

 

 

以上が、僕の防除暦(2026年版)です。

 

もちろん、これが「正解」という訳ではありませんし、これからも変わっていくと思いますので、あくまでも一例ということで参考にしてみてくださいね。グラサン

 

それでは、今年もがんばりましょう!!!チュー