今日は久々に「金継ぎ」の作業をしました。
「金継ぎ」とは、割れたり欠けたり、またはヒビが入ってしまった器等を修復し 、
その生命を蘇らせようとする手法です。
金継ぎの発祥は茶の湯が盛んになった室町時代(14~16世紀)にさかのぼるといわれます。
「金継ぎ」で繕った所を景色とよび 、美的に優れたものとする “侘びさび”の心や
日本人のモノを大切にあつかい再生させる精神は、日本文化の誇れる部分ですね。
大変な作業ではあるけれど、どの器も思い入れのある大切な器たち。
この酒器は開店当初に買ったもの。
この九谷焼きは名古屋で開催されたイベントに行き買ったもの。
織部の長皿は収納に困る厄介モノだけど、やっぱり盛り映えのするお気に入り…
いろいろな思いが蘇りました。
「割れたお皿は捨てる」
が常識の現代ですが、懐石料理のお店ではこのように
修繕された器がしばしば使われます。
そんな器を見かけた時は、そのお店は器を大切に使っているお店だという証明です。
漆と金を使い手間をかけて修繕されたその器を是非楽しんでください。