同作は写真家の浅田政志氏(39)の写真集を原案に「湯を沸かすほどの熱い愛」(16年)で日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀監督賞など賞レースを総なめにした中野量太監督(45)が脚本を手がけたオリジナルストーリー。二宮は家族を被写体に一風変わった表現活動を行う写真家役で、その活動を見守り温かく寄り添う兄を妻夫木が演じる。

 実話をモチーフに、写真と東日本大震災を通じて家族の愛と絆を問う意欲作。中野監督は、人を引きつける魅力を持つ二宮と硬軟自在の演技力を誇る妻夫木に強くこだわり、出演をオファーした。

 2人は90年代終わりから俳優のキャリアをスタート。テレビのバラエティー番組で一緒になったことから、妻夫木が嵐のライブに足を運ぶなど交友はあったが、映像作品ではこれまで縁がなかった。二宮は15年の映画「母と暮せば」、妻夫木は映画「家族はつらいよ」シリーズでともに山田洋次監督(87)の薫陶を受けたが共演には至らなかった。

 デビューから約20年越しの黄金タッグ実現に、二宮は「演じる姿を見ていて本当にうまいなぁといつも感動していました。一緒に演じると自分の粗が目立つので、なんとなく捕まらないように逃げていたのですが、ついに捕まったか」と冗談を交えつつ「こんな機会もめったにないのでめいっぱい楽しみたい」と意欲を語った。

 一方の妻夫木も「ずっと近くにいるのになかなかご縁がなかった二宮さん。ようやくご一緒できることに喜びを感じています」と力強く話した。



映画の原案となったのは、浅田政志による「浅田家」と「アルバムのチカラ」という2冊の写真集。第34回木村伊兵衛写真賞を受賞した「浅田家」には、浅田が“家族でやってみたいこと”をテーマにさまざまなシチュエーションで、父、母、兄とともにコスプレして撮った家族写真が収められている。「アルバムのチカラ」は、東日本大震災の津波で泥だらけになってしまったアルバムや写真を洗浄し、持ち主に返すボランティア活動をする人々を約2年間にわたって撮影した写真集だ。



企画のきっかけは、中野がプロデューサーから「“この家族”を映画化したい」と写真集を渡されたことだった。そのときの印象を、中野は「そこに写っていたのは、今まで見たこともないくらい奇抜でヘンテコな家族で、なのに、どこか可笑しくて、ホッとして、懐かしくて。ずっと家族を映画で描いてきた僕にとって、堪らなく魅力的な家族だったんです」と振り返っている。

映画では、4人家族の次男として育った浅田の半生が描かれる。二宮が主人公の浅田政志、妻夫木が政志の兄・幸宏にキャスティングされた。二宮は、妻夫木との初共演について「たくさんの作品で演じている姿を観ていて本当にうまいなぁといつも感動していました。一緒に演じると自分の粗が目立つので、なんとなく捕まらないように逃げていたのですが、ついに捕まったか。という感覚です(笑)。しかし、こんな機会も滅多にないので目一杯楽しみたいと思っております」と語る。

妻夫木は「『政志と僕が仲が良いことが最大の親孝行』お兄様からいただいたこの言葉が胸に響きました。自分の幸せより誰かの幸せを願うことは簡単なことではありません。その思いやりの心を胸に精一杯浅田家を愛すること、それだけです」とコメントした。

映画「浅田家」の撮影は3月から4月にかけてオールロケーションで行われる。

二宮和也 コメント

妻夫木聡との初共演について

たくさんの作品で演じている姿を観ていて本当にうまいなぁといつも感動していました。一緒に演じると自分の粗が目立つので、なんとなく捕まらないように逃げていたのですが、ついに捕まったか。という感覚です(笑)。しかし、こんな機会も滅多にないので目一杯楽しみたいと思っております。今回実在する人物ですが、僕は普段から役作りというものをやった事がないので、今回もやりませんが、衣装や髪型を決めたり、色々話し合っていく中で高まった物を現場でぶつけていこうと思います。

中野量太作品への初参加について

とにかく愛情にあふれた監督なんだろうなと作品を拝見してそう思っていました。実際に一緒にロケ現場を下見に行ったときも色々説明していただいた姿から、本当にこの作品に対する愛情が伝わってきて、この期待に応えられるようがんばろうと思いました。一緒に作品を作れて光栄です。

妻夫木聡 コメント

二宮和也との初共演について

ようやくご一緒できることに喜びを感じています。ずっと近くにいるのになかなかご縁がなかった二宮さん。感受性が豊かな二宮さんならば、政志を自由に魅力的に演じてくれると信じています。僕はそんな二宮さんをそっと隣で支えていければと考えています。

実在する人物を演じるにあたって

「政志と僕が仲が良いことが最大の親孝行」お兄様からいただいたこの言葉が胸に響きました。自分の幸せより誰かの幸せを願うことは簡単なことではありません。その思いやりの心を胸に精一杯浅田家を愛すること、それだけです。

中野量太作品への初参加について

とにかく楽しみで仕方ありません。形はデコボコでも、浅田家の長男としてしっかりと家族を支えていければ幸せです。


中野量太 コメント

約四年前に、プロデューサーの小川真司さんから、“この家族”を映画化したいと一冊の写真集を渡されました。そこに写っていたのは、今まで見たこともないくらい奇抜でヘンテコな家族で、なのに、どこか可笑しくて、ホッとして、懐かしくて。ずっと家族を映画で描いてきた僕にとって、堪らなく魅力的な家族だったんです。その写真集が「浅田家」でした。
じゃあ、この実在する魅力的な家族を誰に演じてもらうか? 映画の中に嘘なく存在して欲しい、人を惹きつける優しさと、憂いを持っていて欲しいなど、キャスティングには強いこだわりがありました。今回、浅田家の兄弟役のオファーを、希望通りの二宮和也さん、妻夫木聡さんに受けていただき、ほくそ笑んでいます。
この映画では、カメラマンになった浅田家の次男・政志を通して、家族の愛を、そして、東日本大震災の時に実際に行われていた、被災写真の洗浄返却活動を描きます。事実を元に構成した物語です、真摯に丁寧に大胆に、僕にとって、大きな挑戦をする映画になると思っています。

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