知らない間に生えていた我が家の和ハーブ
美男かずら
ビナンカズラ(サネカズラ) | |||||
薬効 | |||||
滋養強壮 | せき・たん | 外傷(がいしょう) | |||
分布生育場所 | |||||
科名:モクレン科/属名:サネカズラ属 | |||||
見分け方・特徴 | |||||
暖地に自生(じせい)する常緑の蔓性(つる)の木本(もくほん)です。 葉は、互生(ごせい)して、楕円形、先端は尖り、葉縁にまばらな鋸歯があり、葉質は、濃緑色で厚く光沢があり、裏面はやや紫色を帯びます。 花は、夏に葉腋(ようえき)から柄を出し、直径1.5センチくらいの淡黄白色の、つりがね形の花をつけます。 雌雄異株(しゆういしゅ)で、果実は直径3センチくらいの球状で集まって下垂します。 肥厚して肉質になった花托(かたく)のまわりに球形の槳果(しょうか)が着生したものです。 | |||||
採集と調整 | |||||
10~11月ころ、赤く熟した果実を採取して、細かくくずして日干しにして乾燥させます。 これを生薬(しょうやく)で、南五味子(なんごみし)といいます。 主成分には、クエン酸、粘液質などを含みます。 | |||||
薬効・用い方 | |||||
滋養強壮、鎮咳(ちんがい)などに、南五味子(なんごみし)を1~2個(約5グラム)、水0.2リットルで煮詰めます。 果実が、どろどろになったら火を止めて、布で濾してから、ハチミツなどで甘みをつけて、暖めてから熱いうちに、食後1日2~3回に分けて服用します。 また、新鮮な葉は、揉んで切り傷に塗布します。 古くは、蔓(つる)には粘液質があり、細かく刻んで、少量の水に漬けておくと、粘質になり、寝癖などの頭髪のくせ毛直しに用いました。 | |||||
その他 | |||||
「万葉集・784」には、サナカズラと呼ばれ、サナは、実・滑(なめ)を意味し、カズラは蔓(つる)という意味です。 名前の由来は、実(さね)の目立つ蔓(つる)という意味から転訛して、サネカズラと呼ばれたということです。 ビナンカズラとは、昔武士などが整髪用に用いたもので、「美男葛(びなんかずら)」で、これを用いると、「美男」になるという意味から呼ばれました。 どろどろにした、樹液を用いて、男女共、頭髪養毛料や整髪用として、薄めて、洗髪用に用いていました。 |