高齢者は

たくさんの薬を飲んでいる

 

血圧だったり

糖尿病だったり

日頃のデータや

採血結果などで薬を調整できる分野は

まだ何とでもなるが

入居時に

バイアスピリンやプラビックス

リクシアナなどの

いわゆる「血液サラサラ系」の

内服をしている方は

薬の調整が難しい

 

もちろん

ワーファリンなど

採血データで調整できる薬だったり

半減期が1日の薬剤だったりすると

なんとでもコントロールは可能だが

内服を中止しても

1週間から2週間も

効果が持続する薬を内服している患者さんは

こちらとしても責任が取れないので

どうしたものかといつも悩む…

 

元外科医の俺は

病院勤務時代に

救急で運ばれてくる患者さんの

出血がコントロールできない時

開業医だったり

通院先だったり

投薬を行っている先生の事を

悪く言ったりしていたものだが

そちら側の人間になってみて

その恐ろしさが良くわかる

 

高齢者施設において

転倒イベントは多発するのが常だが

骨折に次いで恐ろしいのが

出血である

外傷で出血していれば圧迫でコントロールできるが

内出血ほど恐ろしいものはない

見た目が激しいものもあれば

そうでもないのに頭蓋内や胸腔内など

内臓へ向けて出血が続く場合などは

徐々に悪魔が忍び寄る

 

「なんでこんなにサラサラなのに

内服を続けたんだ」と言われんばかりかもしれないが

もともと飲んでいたサラサラ系の薬は

中止する目途が立ちにくいため

一旦開始されると

中止や変更しにくいものである

もし万が一そのせいで

症状が出現でもしたら

「なぜ内服を変更したんだ!」と

逆に言われかねないのだ

1種類の内服ならまだしも

2種類飲んでいる患者さんだっている

性格には

作用機序が違うため

片方を中止して

1種類にすればいいなんて

そんな単純でもない

 

今朝も

ベッド脇に倒れているところを発見されたおばあさんがいて

その写真を見て驚いた

顔面の半分に内出血

でも認知症のせいで

転倒した記憶はなく

痛みもない

はて、頭を打ったかどうかの評価もできないため

この場合は、キーパーソンに連絡して

受診希望あれば

病院へ紹介状となるが…

恐らく向こうの先生から

どうしてこんなにサラサラ系を飲んでいるのだと

言われかねない状況である

 

「だって、俺が診始めた時から飲んでたんだもん!」

 

とは口が裂けても言えない

(´;ω;`)ウゥゥ