櫻井さんが…思ってもいないことを
次から次へと口にしていた…
あれは…俺用…?
それで…一緒に布団へって……
「ふははっ!」
「…っ、!?」
「苦しい言い訳だなぁ。」
「さ、智くん!?」
「でも……そういうとこが
女にフラれる要素なんだろうな。」
「えぇ!?」
「もういいよ。」
「智くん?」
「やらねぇなら帰るまで。」
「ちょっと!智くん!」
「っ、なんだよっ!!!」
「…帰る前に…着てくれない?」
「は?」
櫻井さんが寝室へ…
まさか…
「これ本当に智くんに似合うって思うんだ!
ウサギさん♡」
「っ、!!!」
「気に入ったら
持って帰ってくれてもいいから!
とにかく見たいんだ!
ウサギになった智くんが♡」
「っ、…!!!」
櫻井さんが…あのフワフワした服を
俺に近付けてきた…
「…本当に……俺のために…?」
「うん、そうだよ♡」
そう言って櫻井さんが
本当に嬉しそうに笑って俺を見た…
「…彼女…じゃないんだな…?」
「彼女!?そんなのいないって!
今は智くんオンリー♡」
…バカ…って思った…
ノーマルのイケメンが…男の俺に…
ウサギになれって…
それを想像して…本当に昨日…
ベッドで…自慰してたって言うなら…
「…着替えてくる…」
「マジ!?やったー!!!」
俺はそのフワフワを掴んで寝室へ入った。
ガラッ…!
引戸を閉めて…それに着替えた…。
ドキドキ…
ガラッ…
「っ、…智くん…」
…櫻井さんの反応に…緊張が走った…
こんなの…コスプレだって…
30の男が…ウサギって……
ギャクだって……笑うしかないって…
そう思っていたのに…
「似合うっ!!!
やっぱりウサギにして正解!!!」
「えっ…」
「ウサギとクマがあったんだけど
やっぱり智くんはウサギだね♡」
…いや…そこはクマだろ…
でも…まぁ…いいか…
そんなにウサギが好きなら……
「わがまま聞いてくれてありがとう♡」
ドキッ…
「もう脱いでくれていいよ?」
俺は…黙って櫻井さんに近付いた…
「…智くん…?」
「着替えるから…脱がせて…」
「…えっ…」
「…さく……いや、…翔…。」
「っ、!」
「ほら…ここ…」
前のファスナーを見せると…
「…いいの?」
「…おぉ…。」
ゆっくり…翔の手が伸びてきた…。