チワワみたいな目で…俺を見るから……
仕方なく…。
「…その代わり…」
「え?」
「……俺は厳しいからな。」
「…それってどういう意味…?」
「…汚い部屋で…会うとか…無理だから。」
「っ、!…だから掃除を大野さんに!!」
「金で解決できると思うなっ!」
「!?!?」
「努力しろっ!!」
「そんなぁ…」
「俺には頼るな。でないと
対等に付き合えない。」
「……確かに…」
…ふっ…単純…。
「契約って言っても…櫻井さんから
金は貰うつもりはないから。」
「えっ…」
「…どうしても掃除を頼みたい時は…」
「時は?」
「…会社に電話して…別の人をよこす。」
「えぇ!?どうして!?」
「っ、会社の連中にバレるだろ!
毎回俺が行ってたら!」
「…そんなぁ…!」
…その顔……ふふっ。
「だからなるべく汚さないようにして……」
「わかった!出したら仕舞う!心がけます!」
「…ぉお!」
…素直だな…ふふっ。
「じゃ…残り時間は…」
「え?」
「まだ1時間はあるよね?」
「…掃除…するけど?」
「いい!もったいない!」
「は?」
「ここ座って!」
「え!?」
グイッと引っ張られソファへ…!
「まずは連絡先交換しよう♡」
「っ、…知ってるし…連絡先…」
「あ、そっか。じゃ、LINE!」
「…あぁ…そっか。」
「ふふっ。」
無事に?連絡先を交換した。
「…じゃ…掃除…」
「だから!」
グイッ!
「!?」
「…掃除より…話そう。」
ドキッ!
「…な…なにを?」
「お互いのことを。」
「…だから…なにを?」
「大野さん…下の名前は?」
「…智…だけど?」
「どんな漢字?」
「…こういうの…」
手のひらに書くと…
「わかんない…俺のに書いて。」
ドキッ…
櫻井さんの手のひらに書くと…
「智…そう書くんだね。ふふっ。」
ドキッ…
「…櫻井さんは…翔…だったよな?」
「知っててくれたの!?」
「っ、それは…まぁ。」
「じゃ、名前で呼んで。」
「え!」
「年下だから何でも好きなように!」
「…しょお…?」
「ふはっ!ちゃんと漢字で呼んでる?」
「は?なにが!!」
「大野さんって時々言葉が
ひらがなで聞こえるんだよなぁ。ふふっ。」
「っ、!?」
「…もう一回。」
「…お前こそ…!」
「え?」
「…いつまで大野さんって…」
「じゃ……智くん♡?」