「へぇ、…家事代行ねぇ…」








「めちゃくちゃ凄いよ!」







「…なにが…?」







「掃除のプロ!」







「…当たり前だな。」







「いや、想像の100倍は凄いんだから!」







「…小学生か。」








「てかさっきからゲームばっかしてて

俺の話聞いてる!?」








「…俺以外誰が翔ちゃんのマジくだらねぇ話

聞くと?」







「うん!ニノだけ~!」






「…酔っぱらい…」







「ふへへ~ニノ!今度ウチで飲もうぜ!」







「…まだその綺麗を保ててるんならな。」






「うん!保ってる!約束したもん!」






「…は?」







「ふふっ…大野さんと…」







「…大野さん?誰それ?」







「家事代行の大野さん!」








「まさか…女!?」







「は?男に決まってんだろ!」







「…はぃ!?」







「いやぁ~マジ凄いんだから!」







「今度はなにが!?」







「大野さん!」







「はぁ?」







「あの人…時々口は悪いけど、腕は凄い!

カリスマ!」







「…口の悪いカリスマ!?」








「ニノも一回頼んでみなって!

紹介するから!」







「…いらねぇし。俺、家事できるもん。」








「そっか~

ニノには完璧な奥様がいるもんな~」






「まぁな。」










「ニノ…結婚っていいもん?」







「…なにいきなり?」







「いや、俺もそろそろ考えようかなって。

来年は30になるし。」








「…その前に彼女な。」








「そう、それなっ!」







「なに?」







「部屋だよ!キレイだから呼べるだろ!」








「…なにその理由…」








「今の俺は無敵なんだ~」







「…バカじゃねぇの?」








「ねぇねぇ、奥さんの友だちとか

独身の女性いないかなぁ?」








「……いても翔ちゃんだけには

紹介したくねぇわ。」ボソッ












俺が本気を出したら

彼女なんて簡単にできた…。







一応、俺の中でルールはある…







社内の女の人とは関係を持たない。






その理由は…別れた後が面倒だからだ。








ま、入社一年目で苦い思い出があるからだ。








しかし、大学生の頃は飲み会とかで

出会いはゴロゴロあった。








それなのに社会人になると

一気に出会いが減る。







そんな今は専ら…出会い系のアプリだ。








ある適度自分との相性が合う人と

出会えるのだから、利用しないわけはない。








今回もうまくマッチングした女性と

出会うことができた。








年齢は俺より4つ年下で見た目も悪くない。










食事を何度か交わし今度は躊躇いなく

家へと招いた。












「お邪魔します。」







「散らかってるけどどうぞ。」









なんて言いながらも部屋はあの時を

なるべくキープしていた…。