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いつの間にか雅紀という男が

俺と櫻井を両側に従えて

意気揚々と歩いていた…。









…おそらく行き先は……






ホテルに違いない…






確かにコイツは…3P…と言った…







俺と櫻井と…この雅紀を交えて……







セックス…するつもりなんだって……








ドキドキ…







俺は……阻止するどころか…

素直に付いていっている…






その理由は………






チラッ…






櫻井の方を覗き込んだ…






パチッ!




ドキッ!





目が合った…








『ごめん!』





ドキッ…






櫻井が口パクでそう言って

申し訳なさそうな顔をした…









そう…なぜか櫻井が…拒否しないからだ…







普通なら…断固として断るはずだ…







だって…3P…って……







普通ならあり得ないことだ…






だけど……







チラッと隣の雅紀を見上げた…







ドキッ…!






ニコニコ笑顔で…ウキウキと楽しそう…








そう…この男の雰囲気が……







とても悪い奴には感じないんだ…









しかもさっきから

ずっと一人で喋り続けている…






その内容は……






【彼氏自慢】だ…。










櫻井から雅紀には

恋人がいるとは聞いていた…







さっきからの話からすると…






その恋人とはかなりの

ラブラブなんだとわかる…







そんな雅紀が……







なぜか今から櫻井と俺をも交えて…

セックス…するって乗り気なのだから……







これが…不思議で仕方ない…







でもどうしてだろう……







この雅紀という男からは…







【悪】や【罪】らしき雰囲気が

全く感じない…







むしろ……







男三人で楽しく汗でも流そうぜ!!!







的な雰囲気しか感じない…






もしかしたら…ゲイの人たちは…








セックスをスポーツ感覚で

捉えているんじゃないかって思ってきた…







だから…櫻井も……







ついこの前までこの雅紀と…







未遂だけど…セックスしようと

したんだって思えてきた…







雅紀って男は……






例え相手が俺だとしても……






セックス…できてしまう奴なんだろう…







例えて言うなら……







セックス…マシーンのような……






ロボット?







いや………コイツは…






セックス推奨大臣なんだって思えてきた…






世の中の…ゲイの男性の強い味方…








雅紀とセックスできるってことは……








光栄なことなのかもしれないって……






そう思えてきた…。









「大野くん!大野くん!」






「え!」






櫻井に名前を呼ばれハッとした…










「ハニー♡♡♡」






…!?






雅紀がスッと俺たちから離れた…







「…来やがった。」






…え!?誰!?






…ここって…どこ!?