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金曜日の夜…






駐車場の端から明るいファミレスの店内を

見ていた…






中では俺たちみたいな学生がたくさんいた…






人の迷惑なんか全く気にしないで…騒いで…






何があんなに楽しいんだろうって…

店の外からボーッと眺めて…







ついこの前まで自分も

あいつらと何ら変わらなかった…







そう思いながら

櫻井が終わるのを待ち続けた…。








そろそろ出てくる頃かなぁ…





すると…





ガチャ。





櫻井らしき人影が裏口から出てきた…





よし、今日はどうやって驚かそうか…






そう思って近付こうとしたら…








「翔ちゃん!」





…え!




「あ、雅紀!」




…っ、!?







櫻井が小走りで店の入口の明るい方へと

向かった……






誰…?






胸がザワザワしてきた…







今日は…櫻井と約束はしていない…






会うのは大抵…土曜日か日曜日…







だから…驚かせて…喜ばそうって

思ってずっと待っていたのに……








すると談笑しながら櫻井と男が

俺がいる駐車場の方へと近付いてきた…








バクバク…






「…櫻井…」






「っ、!!…大野くん!?」






こんな形で驚かすつもりはなかった…。








「どうして!?」






「…あぁ…」







なんと答えていいのか…黙っていると…








「あっ!もしかして!?」





ドキッ!





隣の男が大きな声を上げた…







「っ、…そう。」






この男……どこかで……







…あっ!!!









「もしかして、翔ちゃんが終わるの

待ってたとか!?」






「っ、!」





「っ、大野くんっ!ごめん!」






なぜか謝られた…








「ちょうどいいじゃん!

彼氏も一緒にどう!?」






…え?






「っ、…でも!」







「…一緒にって…」






「2Pより3Pの方が断然楽しいからね!!!」






…っ、さ…さんぴぃい!?







「ちょっと!雅紀言い方!」







「さ、櫻井っ!お前

どこ行くつもりなんだよっ!」







俺は咄嗟に櫻井の腕を掴んだ…








「っ、どこって…」





「大野くんだったよね!よしっ!行こう!」






グイッ!





「え!?」






長身の男にいきなり腕を組まれた…!








「翔ちゃんがね、もっと体力つけたいって

俺に相談してきて!

それなら任せなさいってね!」






「っ、!!!」






「ちょっと…雅紀!」







「俺のプレイ見てよ!大野くん!ね!」







っ、…ぷ…プレイだと!?






それって…つまり……









「俺の黄金バット!

誰かに自慢したかったんだよね~!」







っ、…黄金の…バット…って…








俺は引きずられながら…

思わずソイツの股間をじっくり見ていた…。