O





ガチャ。






「…あ…いる。」






ドキッ!






櫻井が靴を脱いだ…







「…平気?」





「っ、おぉ。」






俺は強がってそう返事をした。







櫻井とホテルを出て、そのまま

俺の家へと向かった。






そして、着替えを済ませた俺たちは

今度は櫻井の家へとやって来た。










朝からセックスをした俺たち。







櫻井の腰も良くなったこともあって、

今日は映画デートをする約束をした。







でも、その前にお互い着替えをするために

帰ってきたのはいいのだが…









「お!朝帰り!」





「っ、!」



っ、!!!








「…あっ!君は!」






「っ、お邪魔します!」






「た、太一くん…大野くん…覚えてる?」






「もちろん!翔の初恋のキミ!」






「っ、!!」「っ、!!」







「た、太一くんっ!!」






「あ!ごめん!ははっ!」







俺は…恥ずかしくて横を向いて顔を隠した。


















「てことは…なるほどね!」






ドキッ!






櫻井が奥で着替えをしている時だった…







「…え?」





「そっかそっか!うんうん!」






「……。」







なぜか櫻井の従兄弟の太一さんは…

俺を見てずっと笑っていた。







…恐らく…バレてる。





そう確信した…。










「…あの…」





「なに?」





「太一さんは…櫻井の親代わり…ですか?」





「うん、そうだよ。」






「…櫻井の親は…?」






「…うん、亡くなってね。」






「……あぁ…」







詳しくは…聞いてなかったけど…






櫻井がバイトをして生活費を稼ぎ…






その上…従兄弟と暮らしているって聞いて

なんとなく想像はついていた。








「だからその時は俺が父親代わりね!」






「…え?」







「ほら、結婚の挨拶とか…

バージンロード歩くのも…ねっ!」







「……えぇ!?」






ガラッ!





「お待たせっ!」








「……。」「……。」







「……え?何の話…してたの?」







「ま、色々ね。」






「っ、…!」








俺は…バージンロードを歩く…

櫻井と太一さんを想像してしまっていた…









「大野くん?」






「っ、!」






「…どうかした?」






「っ、いや!なんでも!」







櫻井が不思議そうな顔をした…







そのワケは…きっと俺の顔が…

赤くなっているんだと…







だって…バージンロードを歩く櫻井は……






なにを思ったのか………








「大野くん…?」






ドキッ!






部屋を出て廊下を歩いていた…









「…太一くんに…何か言われた?」







「っ、…そういうんじゃねぇから!」






「えっ…」







「…だから…変なことじゃなくて…」







「…大野くん?」






「っ、とにかく!」






「!?」






「さ…櫻井は……」






「??」







俺は…櫻井の顔を見て……

頭から湯気が出てるんじゃないかって

心配になった…









「大野くん…どうしたの?」







「……櫻井は……白が…似合うな。」






「え?」







櫻井が…着替えてきた服を見た…







「…青…だけど…?」






そう言って不思議そうに俺を見た…







「っ、青も…似合う…。」







「なにそれ!ふはっ!」







ドキッ!







櫻井の笑顔を見たら…







櫻井のまわりが…キラキラと光り輝いていた…









「大野くんは…」






…ぎゅっ。






ドキッ!






櫻井が俺の手を握った…








「…裸が一番カッコいいかも…」






「!?」






櫻井が…耳元でそう言った…







「っ、バカっ!」







「行こう。」







繋いだ手をぎゅっと握って

腕にしがみついた櫻井…







ドキッ…!






「ったく…」






「ん?」






「…バージンロードも俺も歩くからなっ!」







「バージンロード???」







「そっ!こうやって俺と歩くのっ!」






グイッ!






「わっ!」







腕を引っ張ると櫻井がヨロけた…








「…愛してる…」






ボソッと…口にした…






「っ、!!!」








櫻井を見ると…驚いたのか

目を真ん丸にして俺を見ていた…








「…なんだよ…」







「そんなこと言うんだって…驚いてる…」






「生まれて初めて言ったわっ!!!」






俺は恥ずかしくなって足早に歩いた。






「ふふっ。」







櫻井がうつ向いたまま小さく笑った…







その姿を見て…胸が熱くなった…









「なぁ…櫻井…?」






「え?」






「ずっと一緒にいような。」






「うん!」






「ふふっ」