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ゴソゴソ…







…ん…?






目が覚めて…体にまとわりつく

温もりを感じた…







「…んー…」






ゴソゴソ…






足はしっかり挟まれていて…






腕の中には……









「…あ……大野くん…」







そうだった…







昨日…ここに泊まったんだった…








バイト終わりに…

大野くんと初めて入ったホテル…







色々あったけど……







俺たち……セックスしたんだった…。









しかも…俺がウケって…想像とは…逆だった。










俺の勝手なイメージ…







本当は…俺が大野くんを…そう考えていた…。







それなのに…なぜか……。









でも考えてみればこうなるのが自然だった…







だって大野くんはノーマルだから…







まずは…こっちを体験してもらって…






そこから…ゆっくり……









ドキドキ…







ウケる側の大野くんを想像して…






ちょっと俺のが大きくなった…






俺は……て言うか…






俺と雅紀は…どっちでもイケるタイプだった。








そもそも…俺たちは…

どっちがどうとかそういうのがなかった。







こっちをやったら…次は…






そうやって…どっちの経験も重ねていた。








そういうカップルは少なくなった。








セフレや一夜限りの遊びなら…

恐らくタイプで分かれることは多い。








だから…大野くんとはもっとたくさんの

経験を積んでいきたいって思う。








だって…きっともっと良くなるって

感じたから。










ドキドキ…







大野くんを腕の中に抱いていると…

昨日の出来事が夢だったように思える。








大野くんって…時々…

こんな風に俺に甘える…








だからこそ…俺の中では

大野くんはウケる側だった…







いや…違うか…








俺たちのイチャイチャの中では…

逆もありだった…






俺は…オスの大野くんに

ドキドキさせられてた…








昨日も…自分がウケる側になって

気付いたこともあった…









それなのに…このギャップ…








俺の胸でスヤスヤ眠る大野くんを見て…

俺の感情は大忙しだ…









「ふふっ…かわいいなぁ…」







顔が見たくて覗き込むと…









「…んー…!」






眉をひそめて口が尖ってきた…







「かわいい顔…」







「…んー!!」





ガバッ!






「っ、!」







大野くんが再び俺の胸に顔を埋めてきた…







ドキドキ…







しかも…背中にまわした手が…

やたらと動く…







ドキッ…!






熱い息が…胸に…!









「…櫻井……」






大野くんが…目を覚ました…!







「…お前…朝からエロい…」






「っ、!?」







それはこっちのセリフ!!!