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「…本当なら…もっと…俺の……

ドロドロした感情とか……

カッコ悪いところとか……全部…

話すつもりだったけど……やっぱり……

そんなの…聞きたくないよね…。

…勝手なことばかり言ってごめんね。

…やっぱり…大野くんをこっちの世界に

引き込むことが……よくなかったんだって……

わかった…。」








…まだ…隠してることがあるってことかよ…。







まだ…俺には言えないことが……






アイツとは…理解し合えて…

俺とは無理って決めつけて……







いや…決めつけたのは俺か…?







わかろうとしてなかったのは俺か…?








…俺は…一体なにに腹を立ててるんだ…?








俺が…イライラしてる理由は………








ゴロン…







俺は…仰向けに寝転んだ…。









「…女ってさ…ホント面倒な生き物で……

でも、コイツなら大丈夫かなって

毎回思うんだけど…やっぱりどれも同じで。

……いや、俺もヒドイこと散々してきて

女のこととやかく言う筋合いは

ねぇってこともわかってんだけど…。

…欲を満たすためには多少の我慢も

必要なのかなって…考えなくも

なかったんだけど……でも…それって…

本物の恋愛ってなったら……もっと我慢も

忍耐も必要になってくるんだろうなって…。

…だって…好きな相手だから…。」







「……。」








「…櫻井のこと…本気で好きだなって…

思うようになって……毎日考えて…

感情の浮き沈みが激しくて……

それって…前より面倒じゃんって思ったけど…

…櫻井に会ったら…そういうのが

全部吹っ飛んじゃって…。」









「…大野…くん…っ、…」







「女とは違うなって……その理由も……

わかってきて。…櫻井だからなんだって……

俺、本気で恋愛してるんだって…

わかってきて……」







「…うぅ…っ、…」







「こんな風に…理解し合えないのが……

歯痒くて……悔しくて……」







「……もぅ…こんな面倒なこと…

やめてしまえば楽になるのにって……」






「……でも……やなんだよ…」









俺は…ゆっくり櫻井の方を見た…。







泣いてる櫻井を見るのは…胸が苦しい。






でも泣かしているのは俺で…








「…そんなとこで泣いてないで…

こっちこいよ。」






「っ、…!」






櫻井が…俺の隣に来た……。







…きゅん。







櫻井を抱きしめると…

櫻井が…もっと…泣いた…。








「……なぁ…櫻井………ウザイこと聞くぞ。」






「……。」








「俺と…その…ホテルの友だち……

どっちが…大事…?」






言葉にして…一気に吐き気がした…






俺……なに聞いてんだって……







「…そんなの…決まってる…」






「え…」






「もぉ…なんでわかんないんだよぉ…」






「さ…櫻井?」