O







『本当にすみませんっ!』






「……仕方ねぇよ……。」






と言いつつ……ヘコむ俺…








『平日…休めたらいいんだけど…』






「無理するなって。

こっちは大丈夫だからさ。」






『…はぃ。…うぅ。』







櫻井の声を聞いたら…残念だけど…

ちょっと嬉しかった。







櫻井も…会えることを

楽しみにしてくれてたんだってわかったから。









「じゃ、ファミレス…行っていい?」






『え!?』






「っ、なんだよ!ダメかよ!」






『…いいですけど……相手…できないから…』






「そんなのわかってるよ!」






『…じゃ…』






「おぉ!じゃ、また後で!」






『…はい。』






電話を切って早速電話をかけた。










『もしもし…?』






「おぉ!今日って暇?」






『もしかして…また…』






「違う違う!」






『じゃ…』






「この前のお礼だよ!」






『…てか…週末って言ってなかった?』






「そうなんだよ!相手が急遽

バイトになっちまって!」






『あら…それは残念。』






「で!お礼に飯奢る!」






『…いいよ…そんなの…』






「よくねぇ!昼に今から送る店に集合な!」






『え!?』





「じゃ!」





『あ…』







電話を切ってファミレスの情報を送った。






「よしっ!」


















「あ!来た!おせぇって!」






「いや、まだ12時になってない…」






「早くしろ!」






「…てか中で待っててくれたらいいのに…」






「…それは…」






「???」











店内に入ると…






「うわぁ…混んでる…」






「だから先に入っててくれたら…」






「名前書いとくか。」










暫くすると…






「2名様でお待ちの……っ、…大野さん…」






「はいっ!」






元気に返事をすると…






「っ、!」






驚いた顔の櫻井と目が合った。








「…お待たせ…しました…」






「は~い!んふふ。」










席に着くとそのままスーッと

櫻井が行ってしまった…。







「なんだよ…愛想ねぇの。」






「え?」






「…だから…あれ。…例の。」






「えぇ!?」







「バイト君が病欠で代わりに

入ってやった優しいやつなの。

…あ、手出しすんなよ!」






「…するわけない。」





「タイプじゃねぇ?」






「そういう問題じゃないの。」






「ん?」






「…智が恋人って……彼も物好きだよな。」






「はぁ!?」







「でもまぁ…あの智が一人の…

しかも同性に嵌まるとは…。」






「…まぁ…俺も驚いてる。んふふ。」







「うまくいくといいな。」






「いくよ。いかせるさ。」









「…でも…本心がわからないって

言ってなかった?」






「…あぁ。」