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2度目のお宅訪問だった…。






週末だからきっと

両親が在宅だって思っていた。






でも…大野くんの家は…外から見た感じと…

中に入って感じる雰囲気が少し違って思えた。











「買ってきてくれてたんだ!」





「おぉ。…昼飯買いに行ったついでにな。」






「お昼ごはん?」






「うん。コンビニ。」






「…それって…いつも?」






「平日は出前か外食がほとんど。」






「…もしかして…一人で?」






「…今はね。」






「え?」







「…最近できた恋人は…

基本平日は会ってくれないからさ。

…いつも一人で食ってる…。」






「っ、!!」







「んふふ…。」





ドキッ!






これって…軽く…遊ばれた?






でも…本当のことなのかも…







親は共働きって言ってたから…






でも…休みの日も一人って…

寂しくないのかなぁ。










お菓子を食べていると…







「で?どうする?」





「え?」






「…汗かいてる?」






「っ、えぇ!?」






「俺、起きてシャワーしたけど…櫻井は?」






「…それって!」






「ん?」






「だから…つまり…」






「暑いからエアコン入れるか!」





「え!」






「閉めきるタイプだろ?んふふ。」






ドキッ!






やっぱり!!!







「…えっと…!」





「シャワー行く?」






「……そうだね……汗かいたから…」







「OK!案内する!」






「っ、!」







いつも…こんな風に…

淡々としてたってこと!?







大野くんが…大野くんじゃないみたい…






ドキドキ…










「じゃ、ごゆっくり。」






そう言ってニコッと笑って出ていった…。







…人の家のお風呂って…初めてかも…






少し前に…ここで…大野くんが

シャワーをしたってこと…






ドキドキ…







えっと…この場合…準備は………???

















ガチャ。






「涼しい…」






「だろ?」






部屋に入ると…ヒンヤリとした空気が…

緊張を解してくれた。







でも……さっきより…部屋が暗い…






カーテン…閉めてる…!









「んふふ…きっちり服着てるじゃん。」






「っ、当然っ!」







もし…家の人が帰ってきたらって

内心ドキドキして大変だったんだから!






人の気も知らずに…大野くんは……









「おいで。」





ドキッ…!






ベッドに座ったまま手を伸ばした…。








ドキドキ…







隣に座ると…









「何の映画観たい?」






「…へ?」






「メールで言ってただろ?

今度映画観たいって。」






「…あっ!」







そう言えば…毎日メールをしている中で

そんな話しにもなっていた。







でも…まさか家での映画とは

考えもいなかった。