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あの日を境に、俺と櫻井はと言うと……






恐らく…【付き合っている】…

と俺は認識した…。







櫻井がどう思っているかは…謎だ。






あの櫻井だ…






芝居がアカデミー賞クラスだからだ…







だから俺も負けじと男優を目指し

日々奮闘していた…。











《今日会える?》






ドキッ!






《家来る?》






ドキドキ…






《やったー!》






「っ、…マジか!」







《じゃ、バス停で待ってる。

どこで降りるかわかってるか?》





《大丈夫!この前把握したからね!》







「ふっ、さすがだな。」







《じゃ、駅着いたら連絡して。》





《了解♡》







「ふふっ……あ!」






つい…普通にラブラブメールを

繰り返していた!








いつもこうして櫻井のペースに

なるっていうか…






メールの量も増える一方で…






毎日…朝から晩まで

他愛もないメールをしてしまっていた…。















あの日から…家に来るのは二回目…





ドキドキ…






内心…期待してるコイツって…






アソコがほんのり膨らんでいた…。









…来た!





バスが到着した。






トントンッとバスから降りてきた…








「ふふっ…お待たせしました。」






ドキッ!






普段着の…櫻井だ…






「おぉ…。」







「私服の大野くん…カッコいい。」






ドキッ…







「…お前もな…」






「え?そう?」






「あぁ…。爽やかイケメン…だな。」






「なに!今日は別人!」






「っ、どこが!」








「ふふっ!大野くん…黒が似合うね。」






「そうか?」






「凄く…ドキドキする。」






「っ、!?」






「早く…行こう!」





ドキッ…!






「…ぅん。」







なぜか…リードされる俺…






何て言うか…






櫻井といると…調子が狂う…






俺が…俺じゃなくなる気がする…







それって…いいことなのか…

悪いことなのか…






いまだにそれがわからない…。












ガチャ。







「今日はさすがに誰かいるよね?」






「いや…いねぇ。」





「えっ…」






「だから遠慮は無用。」






「…そうなんだ。」







そう、うちはいつもこうだ。









親は基本、週末になったら仕事以外の用事が

忙しくて家にいたことなんてない。








朝起きたらテーブルに

お金だけが置かれている。







俺にとったらこんな好都合なことはない。







うるさい親はいないし、金は余るほどある。







だからってわけじゃねぇけど、

女も連れ込み放題だった。