…夢…かと思った。
でもこれは…現実…
大野くんは…間違いなく…
俺と付き合おうって言った……
「何ボーッとしてんだよ。」
「えっ!」
「付き合ってるなら一緒に帰ろうぜ。」
「っ、!!」
大野くんがいきなり肩に腕を回してきた…!
「え!?」
「…なに?」
大野くんを見ると…凄く至近距離だった…!
「っ、…本当に?」
「…なにが?」
「…本当に……こんなことして……歩ける?」
「っ、…どういう意味だよ!」
「だって……ここ…大野くんの学校の近く…」
「…別にいいっ!」
グイッ!
…あっ!
大野くんが…歩き出した…
俺も…同じ様に引っ付いて歩いた…。
ドキドキ…
こんなに密着すると…心臓が……
さすがの俺も…こんなことして…
街を歩いたことない…
ドキドキ…
「…俺の家…行くから…」
「えっ…!」
そこから…大野くんはなにも話さなくなった。
学校の近くに差し掛かると…
「…えっ…」
「あれ!」
「嘘…!」
「見て!」
「え!?大野!?」
…っ、…大野くんって…やっぱり有名人…!
みんなが…こっちを見てる…!
「大野~!それ誰~!」
「もしかして舎弟~?」
「あはは~!」
男子生徒が俺たちを見て笑っている…
この構図…恋人と言うより…
無理やり連れられてる感が……
こうなったら…!
…スッ…
「っ、!?」
左手を大野くんの腰に回した…
「っ、お前っ!」
「…ダメ…?」
「っ、!!」
「この方が…歩きやすいし…」
ドキドキ…
「っ、…!!」
大野くんの表情が……困ったような…
焦っているような…
やっぱり…こんな風に歩くのって
抵抗あるのかも…
俺は…
単純に…嬉しい…
誰の目も気にせずに堂々と歩くのって…
清々しく感じる…
その相手が大野くんなら…ホント最高!
「…に…に…」
「に?」
「…っ、…に…二人…三脚…みてぇ…」
「……ふははっ!確かに!」
「っ、!」
大野くんを見ると…驚いた顔で俺を見た…
「…ん?」
「っ、…別に!」
「こういうの憧れてたんだ。」
「え…」
「放課後デート…。」
「っ、!!」
「しかも相手が大野くんって…ふふっ。」
思わず…ニヤけてしまった。
だって…嬉しくて仕方なかったから。
ところで……
「大野くん家へ行って…何するの?」