見た目は…悪くないと思っていた。






まぁ、ちょっと地味だけど…

髪型とか変えたらモテると思ってた。






でも…本人は……







「…そもそも…男子校だし。」






「男子校なんだ!

じゃ、学校では出会いないか。」






「…はぃ。」






「あっ!先生とかは!ほら!女教師!」






「…あり得ない。」






「え?そう?うちの高校にはいるぞ!

色気ムンムンの保健の先生とかな!んふふ。」









「…大野くんって…」





「ん?」






「…頭の中はそういうことしかないんですか?」






「っ、!…普通だろ!17、8の男子なら!!」






「……。」







…まさか…







「櫻井って……童貞…?」






「……女の子とは…未経験です…。」






「…え…」







…今…女の子とは…って…





それって……







ガチャ!





ドキッ!





「…あ!お帰り!」





「お客さん?」






「っ、!お、俺帰るわ!ありがとな!」






「大野くん!?」






俺は急いで玄関へ向かった。








「…翔の友だち?」





「っ、!」






「…そう…中学の時の…」






「そうなんだ…」







櫻井の…従兄弟だと思う人と目が合った…







「…お邪魔しました…」






「またいつでも遊びに来てやってね。」






「…はぃ…」








「大野くんっ!」





「…じゃあな!」






「大野くん!…明日っ!」







バタン!






俺は櫻井の声を無視してドアを閉めた。










…櫻井って…もしかして…






バクバクバクバク…





心臓が……







あのまま…従兄弟が帰って来てなかったら…






「っ、!」






俺は全速力で走った…。

















翌日…目を覚まし

ベッドの中でスマホを見た……







1時かぁ…





結局…櫻井と連絡先を交換しないままだった…






本当なら…今日…櫻井と会う約束をしていた…






お礼に…飯を奢るつもりだったから…







でも…昨日……






俺は逃げるように帰ってきた…






だって…櫻井が………







ガバッ!






布団を被って

頭の中から櫻井を消し去ろうとした。







…忘れよう…





櫻井のことは…






あのファミレスにも…

行かなければ会うことはない…






なんとなく…自分の勘が働いた……







櫻井とは…二度と会わない方がいいって。