J







「んふふ~じゅぅうん♡」





「…ははっ…」






「もぉー!!!なんなんだよー!!!

智くーん!!!」







さっきから…智さんは完全に酔っぱらって







俺の膝に顔を埋めて…

腕は腰に巻き付いている…







兄貴が半べそ状態で

ひっぺ剥がそうとしているけど……






それにしても…








「じゅぅうん…んふふ…かわえぇなぁ…♡」






…この人……酔うと…甘え方が…凄い…







兄貴に…いつもこんなことを

してるってことか……






でも…さっきから……

顔をグリグリ埋めてくるから………






それ以上は……








「じゅぅうん~♡」





「…あっ…、」







智さんの…熱い息が…布を突き抜けて……








「もぉー!!マジでやめてってー!!

智くんっ!!」






とうとう兄貴が…智さんを俺から離した…。





…ほっ。








そして兄貴が智さんを抱き上げた…





ドキッ…






「ったく…ふふっ。」







兄貴が…抱き上げた智さんを

ベッドへ寝かせた…







ここからは兄貴の表情は見えない…






でも…兄貴の背中でわかる…






兄貴が…どれだけ智さんを…愛しているか……。










「おやすみ。智くん。」








兄貴がこっちへ来た…






「ははっ…ごめんな。潤。」






「…ううん。」






「そろそろタクシー呼ぼうか?」








「…そうだね。…でも、その前に…」





「え?」







「…俺……まだ何も見つけてないんだ。」






「…潤…?」







「…いきなり会社のこと…聞かされたり…

兄貴のことも…」






「うん。…ごめんな。」






…チクッ。






兄貴のこんな顔…見るのがツラい…








「…俺は……いつか兄貴と一緒に

会社をって…思ってたから…」






「…ぅん。」








「…兄貴が…後を継いだら……

両親も…まわりの人間も皆…喜ぶって……」






「潤…」







「でも…それって……

自分では務まらないから…

そうなった方が俺も楽だから……って……

結局…俺は逃げてたんだ…」






「…潤…」







俺は…自分の拳をぎゅっと握り締めた…。









「……兄貴…!」





「っ、え!」






「俺っ、…兄貴みたいにはいかないけど!

…頼りないけど!

……それでも……会社は辞めたくない!」






「潤…!」







「…お父さんに……自分の気持ち…

正直に言ってもいいかな?」






「…潤。…いいに決まってる。」





ドキッ…






兄貴が…笑って傍に来た…






ガバッ!





「っ、!!」






ポンポン…







兄貴に…抱きしめられた…







「親父はあんな風に言ってたけど、

潤が本気で会社を継ぎたいって言ったら…

きっと喜ぶ。」





「えっ…」






「大丈夫。潤ならやれる。」





「…兄貴…」






「俺も独立したら今の紀之くんみたいに

会社の…ううん、潤の助けになりたい。」






「っ、!!」