O




食後のコーヒーが飲みたい…。





俺は財布を持って自販機を探しに病室を出た。








カラッ…カラッ…カラッ…





談話室に自販機を見つけた。






ブレンドコーヒーを持って部屋に戻った。









カラッ…カラッ…カラッ…




シャ…





ベッドに座ってコーヒーを飲もうとした…







「アチッ!」





ふーっ…ふーっ…と冷まして飲んだ…。







「はぁ~!」





思わず声が漏れた。







和がバッテリーとイヤホンを

置いていってくれたお陰で、

スマホで暇潰しができた。









S




…コーヒーの香りがする。






もしかして…おじいさん…

コーヒーを買ってきた?





どこに売ってるんだろう…俺も飲みたい。







なんならコンビニで何か食べ物も買いたい。








俺は財布を持って部屋を出ようとしたら…







「櫻井さん!?どこへ!?」






入口で看護師さんに止められた。







「えっと…ちょっとその辺まで…」






「ダメです!

一人でウロウロしないでください!

必要な物があれば私たちに

おっしゃってください!」






「…あっ…はぃ。…すみません。」






俺は仕方なくベッドへ戻った…。








そして、ベッドで横になって

点滴の落ちる様子をじっと眺めていた…。









…智くん…今頃なにしてるのかなぁ。







ストーブの前で…何かを修理してるかなぁ。







それとも…お酒を飲みながら

料理してるかなぁ。






…会いたいなぁ…






…智くんの家に行きたいなぁ…






智くんの手料理を…食べたいなぁ…







「ぐぅ~!」






っ、…お腹が空いた…







寒くなってきたから…智くんのことだから…

コンビニでおでん…買って食べてるかなぁ。






猫舌だから…大根をフーフーして

食べてるのかなぁ。








「ぐぅ~!」







っ、…おでん…と言えば…食べたい…






食べたいと言えば…大根…






大根と言えば…智くん…






智くんと言えば…会いたい…






会いたいと言えば…智くん…






智くんと言えば…白滝…





白滝と言えば…食べたい…





食べたいと言えば…智くん…






…ん?






智くんは…食べられない…






いや…食べられる…






智くんの…アレを…食べたい…






食べたいと言えば…智くんのアレ…






智くんのアレと言えば………








「…どうしよう…」






…勃ってきた…






…勃ってきたと言えば……俺…






俺と言えば…智くん…






智くんと言えば…かわいい…






かわいいと言えば……







…ダメだ…かわいい智くんばかり頭に浮かぶ…






それに……色っぽい智くんも…









「…やべっ…」






ますますこんなことに…







入院着が薄いから…

布団をめくられたらおしまいだ…






落ち着け…俺!








「…ふふ…」





ドキッ!






足元から…かすかに笑い声が聞こえた…。