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ガチャ!






「遅い!」







「…てかどうしていつも待ち合わせは

カラオケなんだよ…」







いつもニノが指定するカラオケ店の一室で

ニノが歌を歌って待っていた。







歌い終わったニノが俺にマイクを渡してきた。









「久しぶりに智の歌聞かせろ。」






「だから話があるって言っただろ。

カラオケをしに来たんじゃない!」






「なんだよ~どうせ櫻井とのアノ話だろ!?

んなもん聞きたくねぇし!」






「違うっ!」






「え?…違うの?」








「…違…わないけど……」







「やっぱり!」







「じゃなくて!」






「なんだよ!」








「…櫻井くんとは……無事に…

あれしたからその報告も

するつもりだったけど…!」






「…どっち?」






「…え?」







「で、結局どっちがどっち?」








「…それは……俺が……受けた…方……

でも!俺たちはどっちの可能性も

あるってことだから!」







「え?」






「…次は……逆って…」








「…へぇ……。」








「その話は終わり!」







「だったら今日は智のおごりだな!」







「えっ……あぁ…それもそうだな。

…うん、わかった。ここは俺が。」







「じゃ、歌おうぜ!!!祝いの歌!」







「っ、お祝いはいい!」







「なんでだよ!いいじゃねぇか!」







「っ、それより!聞きたいんだよ!

結婚のこと!」







「……結婚…?」







「…そう。…ニノ…本当に結婚…するのか?」







「…なんで…それを…」






「…相葉ちゃんに。」








「っ、あいつ…お喋り…」






「…結婚って…誰と?」







「……親が決めた相手。」






「え!?」






「俺たちもそんな歳になったんだよ。」






「…ニノ…」






「…あいつも…親を安心させるために…

いつかは……」







「無理なんだろっ!」






「え?」







「相葉ちゃんは…もう…

女の人とできないって!」








「…櫻井に聞いた…?」






「…聞いたよ。」







「……それで…お前らはお互いにって?」







「…そうだよ。俺たちの答えは同じだった。」









「…ふっ。」






「ニノっ!」





「っ、なんだよ!」







「…自分だけ結婚して……

じゃ!相葉ちゃんはどうなるんだよ!」







「……。」









「…相葉ちゃんは…後悔してる…」






「っ、…」







「それでもニノは相葉ちゃんより

親を選ぶのかよ!」








「っ、…!…うっせぇ!」






「……。」









「……うっせぇんだよ………

んなこと…お前に言われなくたって……」








「…そんなに…可能性…ないこと…?」







「えっ…」








「そんなに…男同士の結婚は無理なのかよ…」







「…智…」









俺は…とうとう泣いてしまっていた…。