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夕方、歩いて近くのスーパーへ

買い物に出掛けた。







えっと…あとは…タマゴ買っとかなきゃ!







「智くん!」





「え?」





振り向くと…





「東山さん!」






「仕事は終わったの?」






「はい!今日…櫻井くんと…

あっ!よかったら東山さんも

一緒に夕飯どうですか?」







東山さんの持っているカゴの中を見て

思わず誘ってしまった。








「翔も…?」





「はい!約束してて!」






「…お邪魔じゃない?」





「えっ…?」






「最近、仲良くしてくれてるみたいだね。」






「仲良くって…まぁ…」






改めて言われると…テレた。








「何作るの?」






「櫻井くんのリクエストでオムライス!」





「…オムライス…」





「…?」






「…翔の母親の…得意料理だったはず…」





「え?」






「…翔のお母さんのこと…聞いてなかった?」







「…お父さんが再婚した話は…」






「そっか。…おじさん…翔のためにも

母親は必要だと思ってね。

でも…結果的には親子に亀裂ができて…

ホントあの頃は色々あって…。」






「…あっ…中学の時…」







「それは聞いてたんだね。

だから尖ってただろ?ふっ。」







「…そんなこととは…知らなくて…」






「知らなくて当然だよ。

家庭の事情なんだからね。

でも、今は櫻井家は良好だよ。」






「そうなんだ!」







「弟の潤の話は…?」






「聞いてる!弟が後を継いでるって!」






「…えっ…」




「え?」





「…翔が…そう?」






「…えっ、違うの?」







「…いや…違わない!

…潤はおじさんの会社で働いてるからね!」








そのあと、東山さんは俺の誘いを断って

惣菜を買って帰った…。












S





仕事を急いで終わらせやって来たのは…






ガチャ…





扉を開けると…






「…こんばんは…」






「櫻井く~ん!そこの鍵閉めといてね~!」






「あ!はーい!」







聞こえていたみたいで2階から

大野くんの声が!






カチッ。






中から鍵を閉めるって…なんて言うか…






ドキドキするのは俺だけ?









階段を上がると…






いい匂いっ!!!







「こんばんは!」






「おぉ!お疲れ!」






「お疲れさま!」







キッチンにいる大野くんが

笑顔で俺を見た!!!







これはまさに新婚気分を

味わっている感覚!!!







「奥で手洗って!うがいも忘れずにな!」






「はいっ!」







大野くんの尻に敷かれる俺…






いいっ!すごくいいっ!!!









手を洗って出てくると…






「こっち!」






すでに大野くんはソファに座っていた…。