O




「…寒っ!!!」






体が芯まで冷えてきて一向に眠れそうにない。






しかも…あのイビキ…






普段一人で静かに暮らしている俺にとって

櫻井くんのイビキは騒音でしかない。







ガバッ!






「…ったく…」






ベッドに近付いて櫻井くんを見た…








「…櫻井くん…」






少しだけ体を揺らした…






「…んっ……えっ…」





「…まじうるさい。」





「…え!?…大野くん…?」





「寝惚けてんのか?」







「…え!ベッド!?」






「それはいいんだけど…イビキがうるさい。」







「っ、!?…ごめん!

…え、大野くんどこに寝てたの!?」






「ソファ。」






「嘘!ベッド占領してたんだ!帰るよ!!」






「バカ!寝てろ!」






起き上がってきた櫻井くんの肩を押すと…







「あっ…」








「…とにかく……うるさいのと………」





「えっ…?」






「……さみぃ…」





「っ、!?!?」







「…そこ…入っていい…?」






「!?!?!?」






薄暗い部屋に豆鉄砲を食らったような顔の

櫻井くんが浮かんで…






「んふふ…」





「!!!」






「…寒いっ!限界!!」






俺は櫻井の奥に飛び乗った。






「っ、!!!」







そしてすぐさま布団に潜り込むと…







「あったけぇ~」






「!!」 






「櫻井くんの体温だな。これは最高~」






ゴソゴソ…







櫻井くんが布団を整えて隣に…






…っ、…近い…






当たり前か…






シングルベッドだもんな…







布団の中から頭を出した…





すると…








「……お…男…同士で…こういうの……

大野くんは…普段から……

よ…よく…ある…わけ…?」






「…ねぇよ。」





「っ、!」






「…普通は男女だろ。こういうのは。」






「っ、!!」








「櫻井くんなら何万回って

経験してきたんだろ…」







「…っ、…。……そう言う…大野くんも

……ここに……」






「…そりゃ…過去には。」






「っ、!!!」







「そんなの普通のことだろ。

…もう30前なんだし。…お互い。」






「……まぁ…」








「…櫻井くんは……結婚とか…考えてる…?」








「いやぁ…仕事柄……無理って言うか……」







「…俺も…。」








「……じゃ……恋人くらいは…欲しいなぁ…

とか…思ったり…?」







「…まぁ…いたら…いたで…」






「っ、…そうだよね…いたら…いたで……」








「…櫻井くんなら…相手に困らないだろ…?」






「いや…そうでもないよ……

俺…器用じゃないから…ははっ。」







「っ、…どういう意味だよ…」






「えっ…」







「…それって…テクニックの話…?」






「っ、!!!」