O



ガラガラガラ~





倉庫のシャッターを開けると…






「雪っ!!!」





外が一面銀世界だった…。










「…そりゃ…夜中…寒いわけだ。」












倉庫のストーブがようやく暖まってきた。





作業を始めてすぐだった…








「…あのぉ…」





「はい…!」






頭を上げると…入口に人影が…







外の雪に太陽の光が反射していて

顔が見えない…








「…大野…くん…」





「っ、!」





聞き覚えのある声…





まさか…!







人影がゆっくり近付いてきた…






そして…顔が見える位置まで来たのは……







「…久しぶり…。…俺のこと…わかる?」





「っ、…!!」





突然で…声が出ない…!







「…いきなり…ごめんね。」






「…っ、…!」







「…一昨日…同窓会で記念品が配られて。」





「…え…」






「これ。ボールペンだって。」







そう言って俺の真ん前まで来て差し出した…






って…なに普通に話しかけてきてんだ…








「…一応…幹事の一人だったから…。

来れなかった人に配ってまわってて。」





「…あ…」





慌てて手を出した…





ことっ…と手のひらに細い箱が…








「…ありがと…」





「…いいえ。」





すると…








「ここが大野くんの家なんだね。」





…え?






「凄い…これら全部修理するやつ?」





…え?






「大野くんの手にかかったら

なんでも直しちゃうって聞いてたから。」






…え?…誰に?







「……あ!…同窓会でね!相葉くんに!」





…あっ…相葉ちゃん…








「うちに祖父の古いレコードプレーヤーが

あるんだけど…」






「え…」







「針が折れちゃってて…

そういうのって直せる?」







「…ぅん…」






「ホント!?持ってきてもいい!?」






「…プレーヤーの大きさは?」






「…あっ!…家具くらい大きい…!」







「…それだったら…出張修理になる…」






「出張代支払うからお願いできる!?」






「……家は…」





「実家…」





「実家って…?」







「祖父母の家。そこから中学の時は

通ってたから。」







「…そうだったんだ……じゃ…

出張代金いらないかも。」






「えぇ!?」






「…近所ってことだろ?」








「…そうだけど!それって

来てくれるってこと!?」








「……仕事だから…」







「え!?いつ!?何日!?」






「っ、!!」







俺は…驚いた…






櫻井翔が…中学生の時より…

子どもに見えたから…








「…忙しい…?」





急にシュンとなった…







「…いや。今からでも行けるけど。」