「あー…さみぃ…」
部室に一人、余計寒く感じる。
仕方ない、俺一人だしストーブつけちまうか。
目の前にあるストーブのスイッチを入れ、隣にある椅子に座る。
なんか生温かい。
そういえば、さっきまであの単細胞が座ってたな…。
俺が言っている単細胞。
それはさっきまでこの部室で寝てた後輩の早希のことだ。
「あ…」
机の上にブレスレットが置いてある。
多分これは早希のだろう。
あの単細胞め…。
仕方ない、メールでもしといてやるか。
【おつかれ。
お前、ブレスレット忘れてってるぞ。
このメールみたからって取りに戻ってくるなよ、単細胞。
明日教室まで届けてやるから、まじで来るなよ。来たらコロス☆ミ
んじゃあな、おやすみ。】
送信っ…と。
まぁこれでいいだろ。
ブレスレットをカバンの中にしまうと、代わりに資料を机の上に出す。
「…はぁ、めんどくせぇ。
大体渡すの遅いんだよ、あのハゲ顧問…。」
ため息をつきながらも、資料に目を通す。
資料には数字やらグラフ、英語で書かれた文など、読み取るには時間がかかりそうなものが書かれている。
それも、一枚ではない。
ざっと50枚はあるだろう。
一枚目を読み終えた時には、既に30分ほど過ぎていた。
「あー…今日、これ泊まり込みか、おい……。」
そう言ったとき、携帯が鳴る。
聞き慣れたメール音。
早希からだ。
【おつかれ様でした!!
すいませんありがとうございます
お仕事頑張ってください!
おやすみなさい…】
短くまとまった文章。
あの単細胞め…、メールだとしっかりしてやがる。
「ふぁ~……頑張るか……。」
携帯を閉じ、欠伸をひとつ。
そしてまた作業。
夜はまだまだ長い。
