「イニラブ」制作日誌⑧『堤監督ならではの演出』 | てち

てち

平手友梨奈ちゃん!
全力で応援します!

「イニシエーション・ラブ」制作日誌

5/25 UP
⑧【堤監督ならではの演出】
http://www.ilovetakkun.com/prono.html#page08

 


 堤作品といえば、小ネタ。最近作『悼む人』はシリアスで小ネタが入る余地のない作品だったが、『イニシエーション・ラブ』では復活。堤自身の学生時代のひとり暮らしの部屋にあった輪ゴムすだれを再現するなど遊びがある。マユの周囲に花が咲き乱れるカットも、遊び心だ。

  中でも気になるのは、蟹。マユが鈴木と部屋で過ごすとき、静岡編と東京編の2回、蟹が登場する。その後も蟹は何度か登場。美弥子と鈴木がはじめて入るホテルの名前は「CRAB~」とあり、入り口もなぜか蟹仕様。クリスマスイブの美弥子の家の食事にも蟹が出て来る。これは、マユが“蟹座”だからというちょっとした遊び心だという。

80年代カルチャー、小ネタ、大掛かりな仕掛けなどトリッキーな演出が盛りだくさんの反面、男女の恋愛の機微の部分は丁寧に撮られている。誰もが感情移入できる喜怒哀楽が明確であるからこそ、騙しの仕掛けが活きてくる見事な演出となっているのだ。